風花「何?忘年会帰りのおじさんみたい!もう!」
キンジ「これはまるで、酔拳でございやす」
シュテンドウジ「おらぁ、どんどん強くなるぜ~」
キンジからの攻撃をふらりとかわしたシュテンドウジは、倒れるついでに背後にいた風花ちゃんにどーんともたれかかって、お酒をぐびぐびと。飲めば飲むほど、虎になってくシュテンドウジさん。誰か警察呼んでー!
確かにこの時期は、シュテンドウジなおっさんがたくさん繁華街に出没中。いや、お酒で気持ちよくなるのは楽しいし、いいけどね。あちこちにお好み焼き(もんじゃ焼きともいう)爆弾を投下して回るのは勘弁してね!手裏剣戦隊ニンニンジャー第41話感想!
シュテンドウジ「年末のサラリーマンなみに暴れてやるぜー!」
ちなみに私、電車の中でサラリーマンシュテンドウジの戦いに巻き込まれたことありまして。隣に立ってたおっさんが反対隣のおっさんを殴ろうと肘を引いたために、おっさんの肘がもろに私のみぞおちに決まり、吹っ飛んだことがあります。暴れるのはかまわんが、そこそこ混んでる電車の中ではやめてね。
ニンニンジャー、牙鬼幻月の遺志を汲む息子、萬月の前に敗北を喫するの巻。さらに、彼らの師匠でもある好天じいさんとの別れの予兆も盛り込まれ、物語が終焉に向って一気に動き出しました。
キンジ「このあたりに十六夜九衛門が潜伏しているはずでございやす!」
前回のキンジの告白を受けて、こんどは皆で十六夜九衛門を討ち取りに向かう、ニンニンジャーたち。ああ、キンちゃんの告白が無視されなくてよかったよ。この構成だと、本来ならキンジの告白のタイミングは前回ラストに持ってくるべきだったけれど、九衛門の正体を最大級に印象付けるためには仕方のなかったところか。果たして、キンジ達は九衛門と森の奥で対決することになる。
九衛門「ラストニンジャの孫達か…。一体何事だい?」
天晴「四の五のいう必要はないだろ。お前を倒す!」
しかし、そこへ九衛門の匂いを嗅ぎつけた萬月が、大軍勢を引き連れてやってきた。ちょうど居合わせたニンニンジャーもろとも潰せと、軍勢に命令する萬月。一斉に襲いかかるジュッカラゲ、ヒャッカラゲ。天晴達は九衛門どころではなくなってしまった。
九衛門はどさくさに紛れてその場を逃げる。
九衛門「どちらを相手にすればいいか、決着をつけて再び来るといい!」
萬月はガシャドクロ2体も連れてきている。ジュッカラゲたちの方は八雲たちに任せ、天晴はライオンハオーで撃って出た。
軽々とガシャドクロを撃破するライオンハオーを見た萬月は、何を思いついたか唐突に退く。
萬月「晦、あの忍者どものデータはあるだろうな」
晦「は?もちろんでござりまする」
萬月「よーし、ならばひとつ、勝負に出ようじゃないか」
ニンニンジャーたちの前に、矢文が。彼らに届けられたのは、なんと『牙鬼家当主継承お披露目式』の招待状。萬月の署名の上に描かれた鬼のマークがさりげに可愛らしさを演出。
招待状を前に霞達は侃々諤々。敵の罠にのるかそるか、結論はでない。
凪「ねえ、おじいちゃん、どうしたらいいかな?」
凪は、天井の梁にひっそり潜んで話を聞いていた好天に声をかけた。
好天「気づいておったか…遠足の際、バナナはおやつにはいるか、お弁当にはいるか、どっちだと思う?」
風花「は?バナナ?いきなりなんの話?」
凪「こんな真剣な時に、意味不明なこと言うの、やめてよね!」
好天「意味不明ではない」
うーん、そのまま持ってくとおやつ?輪切りにしてタッパに入れて持っていけば、お弁当?なんか牛丼持ち帰りだと消費税が安くなる…みたいな?軽減税率…みたいな?とか結構真剣に考えていたら。
天晴「あー!凪も風花もそういうなって。よくわかんないけど、自分達で考えろってことだろ?」
八雲「じゃあ最初からそう言えばいいだろ、回りくどい」
天晴「とにかく 俺達は俺達の, 爺さんは爺さんの やりたいことをやればいいんだ。な、じいちゃん!」
好天「まさか天晴にフォローされるとはな…」
おじいちゃんは少々毒気を抜かれた顔をすると、どろん。
好天が、いつもみたいに説教めいたことを何も言わず消えたことに驚く皆だけれど、そこは旋風がフォロー。
旋風「自分で考えろと説教する前に、天晴が答えてしまったから驚いたんだろ…皆が修行の最終段階に来たってことだな」
ここで旋風は、伝統芸能などにおける師弟関係が踏んでいく段階、『守破離』について説明を。
旋風「いいかい、弟子はまず師匠の教えを『守』ることで型を身に着け、次にその型を『破』ることに挑戦し、やがて師匠から『離』れる。その考え方を『守破離』っていうんだ。 手裏剣忍法の基礎と上級忍法を学んだ皆は、何度かじいさんの型を破ることができただろ?あとは、自分の意思で…例えば、誰にもできない忍術を身に着け、じいさんから離れることが出来れば、一人前の忍者だってことさ」
霞「誰にもできない忍術を修得して、おじいさまから、離れる…」
天晴たちは確かにじいちゃんに追いつけないと感じた分、修行して努力して、じいちゃんの出来なかったことをやってきた。じいちゃんが『手懐け』られなかったライオンハオーを『仲間』にしたし、じいちゃんが信じ切ることができなかった『他人』のキンジを信じ切ったし、自作のオトモ忍に精霊を憑かせることができなかった天晴達は、自らがオトモ忍に忍法で取り憑くことによって、新しいからくりを動かした。じいちゃんから受け継いだ基礎を、自分たちなりに工夫することで、型を破ってきた。
いよいよ、天晴達が好天から独立する頃合いがやってきている。
答えは決まった。罠とわかっていても、いけいけどんどんで乗り込むべき。それが天晴達の『忍びなれども忍ばない』型破り。
一方の牙鬼側は、会場である広場にさっそく陣を張る。
有明「母上嬉しい!よいぞよいぞー♪」
晦「果たして若君は、ほんに御館様の予言通りかどうか…」
有明の方は、この準備が幻月不在の間の『牙鬼家総大将萬月』正式披露のためのものと知り、大喜び。反対に晦は萬月が本当に大将の器なのかどうか、いまいち確証が得られない。
そんなふたりに構うことなく、余興勝負の戦い手として、萬月は超上級妖怪シュテンドウジを召喚。封印の手裏剣を4つも使った贅沢仕様。
萬月の前に姿を現したニンニンジャーたちに、シュテンドウジ相手の余興勝負を要求する。広場にいた一般市民をおつまみピーナツにされてしまったニンニンジャーたちは、勝てば元に戻してくれるという条件で、しぶしぶ応じた。
天晴「皆!親父が言ってたように、誰にもできない俺たちらしい戦い方でいこうぜ!」
一番勝負は喧嘩凧。
八雲がシュテンドウジの凧を、魔法でおでんの蛸に変えてしまって八雲の勝ち。
キンジ「nice octopus!」
キンジの掛け声の意味がよくわからないよ。
二番勝負は流鏑馬。
霞ちゃんが男どもに担がれて、さっそうと的を射る。
二番目までは的の真ん中を射抜いたが、三番目の的を外してしまった!一方シュテンドウジは30センチもない距離から的を射て、全部命中!
霞「ちょっと待ってください!私が外すなんてありえません!しかも的が近すぎます!」
霞ちゃん負けず嫌いモード発動で猛抗議するも、ジャッジは変わらずシュテンドウジの勝利。
三番勝負は待ってましたのダンス勝負。
当然曲目は『なんじゃモンじゃ!ニンジャ祭り!』。当然踊り手はキンジと風花。
せっかくなので私も一緒に踊ってみようと思ったが、アレンジが凄すぎる…orz。最後に首をぶんっと後ろに振る動作で、思いっきり痛めました。はい。年齢に合わない無理はしませぬよう。
しかし、ジュッカラゲさんたちは華麗なブレイクダンスと曲芸を披露。シュテンドウジ、リズムに乗ってるだけじゃん。ずるい。結果10点差でシュテンドウジの勝利。
風花「そんな…得意技で負けるなんて…」
風花ちゃん、大丈夫!ダンスでは負けてなかった!曲芸が足りなかっただけだ!
四番勝負は綱引き。
ここで負けると後がないニンニンジャー。天晴を出してシュテンドウジとタイマン勝負。
最初のうちこそ、ほぼ互角だったが、シュテンドウジが酒をチャージすると、みるみるパワーアップ。天晴は中央の白線へとずるずる引きずられていく。
獅子王「おい、天晴!俺を使え!」
みかねた獅子王が、天晴に超絶変化するよう忠告しても、彼には珍しく聞く耳を持たない。
天晴「いや、ここはなんとか踏ん張るぜ!」
天晴はロープを自分の体にぐるぐる巻きつけると、体ごと捻ってロープをぶん回し、シュテンドウジを弾き飛ばした。なんとか天晴の勝利。ここでカウントは2対2。勝負の決着は最終戦にもつれ込む。
シュテンドウジの不甲斐なさに怒り狂う有明の方に対し、萬月は勝負を黙って見続けている。霞は萬月の様子に不穏なものを感じているが、萬月が何を狙っているかが見えない。
五番勝負は腕相撲。
やはり、ここでも天晴が勝負に出るが、腕を合わせるため接近した途端、シュテンドウジがもわあっと酒臭い息を天晴に吹きかけた!あまりの臭いに、たまらず、天晴もみんなも鼻を押さえちゃう。これじゃ勝負にならない。その時ブレスの中から獅子王が飛び出した。
獅子王「ああー!じれってぇなあ!目には目を、おっさんにはおっさんだろ?なんで俺を頼らねえ!?」
天晴「その…なんつーか…」
獅子王「なんだか知らねえが、どうせラストニンジャのおっさんを意識しているんだろ?」
天晴「俺たち…一人前になれるようがんばっててさ…。自分たちの力でなんとかしたいんだ」
獅子王「そういうこと言ってんじゃねえ!とにかくここは俺に任せろ」
そんなこんなで腕相撲は、飲んべえおっさん対決。
有明「誰じゃ?あいつ」
シュテンドウジ「あいつだ…」
初めて萬月が反応を示した。ライオンハオーを動かしている精霊は、たぶんあいつ。これを萬月は待っていた。
そんなこととは露知らず、シュテンドウジと獅子王はがっつり腕相撲。当然シュテンドウジは酒臭い息を吐きかける。
獅子王「こちとらお前と同じ飲んべえだ。その程度で怯むと思うなよ?」
いや、いくら酒飲み同士でも、他人の息はすげー臭いと思うのだが、獅子王はまったく平気。一気に腕を倒してシュテンドウジを負かす。うーむ、恐るべし。
やはり、獅子王の力を借りないと、この勝負に勝ちきれなかった。まだまだ好天から独立することは敵わないのかも。
天晴「ありがとう、おっちゃん。俺たち、まだまだだな」
獅子王「へ、違うぞ天晴。俺がお前と暴れようと思ったのは、半人前のお前たちでもな、ラストニンジャのじいさんより可能性があると思ったからだ。その俺から助言を受けなくてどうする?一人前ってのは人に頼らないってことじゃねえ。巣から飛び立つために、より人の意見に耳を傾けられる大人になれ」
天晴「そっか…わかったよ。おっちゃん」
独立するったって、ひとりでなんでも出来なければいけないわけではない。好天だって、オトモ忍の制作は先代の鉄之助に頼っていたわけだし、大切なのは自分達に足りないところは何かを見極めた上で、それを補ってくれる人を見つけて上手に頼ることも、頭領として大切な仕事。先達からの助言を受けて、トライアンドエラーを繰り返しながら、1人前になっていく。これは職人や芸事に限らず、どの仕事でも共通すること。
かくして五番勝負はニンニンジャーたちの勝ち。一般市民はピーナツから人に戻り、無事に逃がした。
有明は式典をだいなしにされたと怒り心頭だが、やはり萬月は泰然としたもの。まったくアクションを起こす気配がない。
霞「勝ったのはいいのですが…牙鬼萬月が何もしてこないというのは妙ですね」
一方、シュテンドウジはニンニンジャーたちに襲いかかってきた。酔っぱらいシュテンドウジはふらふらして掴みどころがなく、ぐびぐび酒を飲んではどんどん強くなっていく。
天晴「こうなったら、とことん頼らせてもらうぜ、おっちゃん!」
天晴は超絶変化しようとブレスを回転させるが、うんともすんとも言わない。獅子王さん、ブレスに戻らず道端で寝ちゃってる。ちょいと酔っていらっしゃるご様子。
獅子王「んふふ…もう、食べられねえよ…」
風花「頼れって言っておいて寝ちゃってる」
凪「まるでダメなおっさんじゃん」
獅子王「誰がまるでダメなおっさんじゃ!へへへ~人生の先輩に向かって失礼だぞう」
獅子王さん、うがーっと吼えたあと、またご就寝。
天晴「人生の先輩…?あ、そっか!」
天晴はカクレンジャー、ハリケンジャー、ジライヤの手裏剣を次々と一番刀にセットした。
天晴「上級手裏剣忍法!レジェンド忍裂斬!」
つぎつぎと先輩方の力が天晴に取り憑き、シュテンドウジに斬りつけた。シュテンドウジはたまらずどっかーん!
霞「これこそ、誰にも思いつかない技です」
八雲「ナイスアイデアだ、たか兄」
天晴「先輩たちの力に頼り切っちゃったけどな」
そんな天晴達の戦いを遠くからみつめていた好天。
好天「まだ一人前とは言えぬが、小さな一歩は踏み出せたか…。ちょびっとだけブラボーじゃ」
好天の指先が、光の粒になって透けた。自分の指先を見て、ぼそりとつぶやく。
好天「そろそろあやつらも、ワシから巣立つときがきたようじゃな」
じいちゃんの背中はほんの少し寂しげ。別れの時は近づいている。
さて、一度爆発したかにみえたシュテンドウジ。しかしそこは超上級妖怪。めげずに呪文を唱えると自ら巨大化。天晴たちはゲキアツダイオーで撃って出た。
天晴「こっちは激アツ押せ押せどんどんだ!」
シュテンドウジ「ふはは、甘口だな。とっておきをみせてやる。飲んべえ寝返り落とし!」
シュテンドウジが酒の入った棍棒を地面に叩きつけると、地上でぐーすか寝ていた獅子王がいきなりライオンハオーを呼び出した。獅子王はライオンハオーに吸い込まれる。獅子王自身にも自分の身に何が起きたのかわからない。
シュテンドウジ「俺の息を完全に吸い込んだやつを、俺は自由に操ることができる。奴は俺のしもべさ!」
操られたライオンハオーがさらにオトモ忍たちを勝手に召喚し、覇王手裏剣合体を発動。覇王シュリケンジンになり、コックピットに萬月とヒャッカラゲたちが収まり、用済みとなった獅子王は放り出された。
萬月「このからくりはもらったぞ!ここまでが余興だ。行くぜ!」
アッパレ斬り!覇王萬月バスター!次々と必殺技を繰り出すとゲキアツダイオーを倒してしまった!一部始終を見ていた晦は感激。
晦「素晴らしい!お館様の予言はまことだったのですな」
有明「な?お館様の予言?…おほん。444年後妖怪となって復活し、もう一度天下を恐怖で支配せん…というものか?」
晦「その続きがあるのですじゃ。そのすべてが御館様のご子息によって果たされるであろうと、お館様は死の間際に告げられました。今確信しましたぞ。全ては予言通りに進んでおると!」
ん?そのすべてがご子息によって果たされるとな?ってことは幻月は復活しないの?それは困る。ちょっと待て。有明のためにも復活して、家長としてお母さんを蹴る萬月の耳に手を突っ込んで、奥歯がたがた言わせたれ!
なにはともあれ、クリスマスに向けてひとつの大きな山場へまっしぐら。クリスマスといえば、毎年すげー秘密が明かされたり、重要人物が亡くなったりするのでどきどきしてます。さて、今年はどう来るか?