御成「拙僧も夢の世界へ行きたかったぁ……」
皆がすやすや眠るなか、ひとり見張り番として残されてしまった御成はしょんぼり。が、手頃なペンを見つけてにんまり。
御成「おや?こんな所にいい物が……これで、よしこちゃん。男前になりましたぞ!」
アランのあどけない寝顔に、御成の日頃の鬱憤が炸裂。まあ、そうだよな。御成にとってみれば、いくら年齢140歳だとか、元王子様とかいわれたってさー、つい先日まで敵だった生意気小僧が、上から目線でえらそうに自分の不始末の尻拭いを手伝わせようとしてるんだもんな。これくらいのおちゃめさんはゆるされるでしょう。なかなかの男前に仕上がりました。くるりんおひげがしゃれおつでござる。
御成「やっぱりもう少し……どこに足しましょうかね?おでこがね、悩んでるんですけど。一番おいしい所……」
うん、額には『肉』と書くのが無難だと思う。仮面ライダーゴースト第34話感想。
しかし仏は御成の所業を赦さなかったか、眼魔達がわらわら襲ってくる。天罰てきめん。御成ひとりで不知火・改を駆使して戦うも当然大ピンチ。御成の悲鳴をきいたマコトとアランが夢の世界から戻ってきて、起きてくれた。ああ、ありがたや!
アラン「褒めてやる。あとは私達に」
マコト「アラン?」
アラン「何だ?私の顔に何かついているのか?」
マコト「…………何でもない。行くぞ!」
そのまま、アランとマコトは変身。マコト兄ちゃん、えらい。よくぞ吹き出すことなくこらえた!
仙人により、今のタケルはどんなどんな状態であるのかの説明がなされ、彼が『生き返る』のに必要な条件が改めて明示されます。そしてグリム眼魂がまさかの兄弟喧嘩の巻。てか、ひとつの眼魂に兄弟ふたりを融合させてつっこんでたんかい。英雄、正確に数えりゃ16人だったんかい。せっまい眼魂のなかに、男ふたりをつめこんでりゃ、そりゃいくら兄弟仲が良くたって喧嘩するわなあ。
*タケルと99日の期限
さて、眼魂が割れてしまった状態から甦りはしたものの、今のタケルがどんな状態にあるのか、甦った本人自身もよくわからない。一度リセットされたから99日問題ってちゃらになるの?そもそも、すでに生身の肉体がない状態で、15個の英雄眼魂を使えばなんで生き返るなんて言えるのよ?わからないことだらけで、もうお手上げ。困った時の仙人頼み。ここのところ、カノンやマコト達と顔を合わせるのを避けるためか、なかなか姿をみせなかった仙人が、珍しくどうどうと姿を見せた。
仙人「おお、奇跡の子よ!」
マコト・アラン「長官?」
タケル「え、顔見知り?」
アラン「イーディス長官、いつこちらへ?」
仙人「イーディス長官?誰だその人?知らないよ」
マコト「でも、同じ顔……」
仙人「この私と同じ顔?そんなイケメンがこの世に存在するのか?ぜひとも会ってみたいなぁ(はぁと)」
イーディス長官と同じ顔をしていることに関しては、仙人必殺技・竹中直人変化により華麗にスルー。なーんか納得いかないマコトとアランだけれど、ここで追及を続けて、また仙人に肝心なことを訊けないまま逃げ出されちゃ、元も子もない。タケルは早々に本題を切り出した。
タケル「おっちゃん、今の俺ってどういう状態なの?」
仙人「よっ、奇跡の子!いや、わしにも分からん」
タケル「え?」
ユルセン「よっ、奇跡の子!お前はまだゴーストだぜ。99日たったら、お前の魂は眼魂ごと消滅しちゃうんだ」
タケルの身に起きたあまりにも都合のよい奇跡に対して、奇跡の子、奇跡の子と揶揄し続ける仙人とユルセンにちょっと共感^^;。要するに今回のことは想定外で、一応こんな奇跡が起きた以上は、もうなんでもありなので、次に何が起きるか仙人にも予測がつかなくなっている。しかし、それだけじゃ納得いかないだろうということで、とりあえずはいままでのタケルの状態がどういったものだったかを、仙人は説明した。
仙人「元々は、お前が生きている状態で、龍が送ったブランク眼魂にお前の魂を入れ、仮の体で眼魔と戦うはずじゃったんだ」
ユルセン「でも、その前にお前、眼魔に倒されちゃったじゃん?」
仙人「そして99日目を迎えた時、龍が現れ、お前の魂は龍の魂と同化してしまったんじゃ。想定外の出来事じゃった。龍とタケル、2つの魂を救うためにはグレートアイの力を使うしかなかったのじゃ」
タケル「グレートアイって?」
仙人「あのね、万物を創造することができる力の根源」
11話で出てきた、タケルが曼荼羅の中で聞いた、願い事をたずねる少年の声。これ、字幕を出してみると「グレートアイ」ってセリフの主の名前が出てきているんですよね。この少年の声が「グレートアイ」。てことは、15個の英雄眼魂による儀式で、グレートアイに直接コンタクトをとる機会が得られるということ。タケルのように、肉体がすでになく魂だけの状態でも、万物を創造するグレートアイなら、復活の奇跡を起こすことができるということか。
アラン「だが、この前15個の眼魂を揃えても願いは叶わなかったぞ」
仙人「それを妨害したのはグレートアイを守護する存在、ガンマイザーだ。龍とわしは、ガンマイザーに対抗するために15の英雄眼魂を用意した。だが、今なおガンマイザーの力は強くなり続けている。このままでは、グレートアイと対話する事ができない」
アカリ「それって、タケルは生き返れないって事?」
仙人「うーん、全てはわしの誤算じゃった」
アドニスが大帝の時代は、ガンマイザーも祈りによって抑えられていたが、アデルの代になってガンマイザーの力が強くなり、いよいよグレートアイとのコンタクトが不能になったと考えていいのかな。アドニスの時代にも、最近は大いなる力は応えてくれないと言っていたから、そのころからグレートアイの力自体も弱っていたということか。アドニスの理想とする不死の世界のゆらぎも、どうやらそこに関係しそう。
タケル「大丈夫だよ。英雄の力はこんなもんじゃない。父さんが俺を信じてくれたみたいに、俺も英雄たちの無限の可能性を信じる」
タケルの全幅の信頼を受け、めらめらと燃える英雄達が熱い。マコトやアカリ達にも闘志がみなぎる。
タケル「残り36日。俺は眼魔を倒して、絶対に生き返ってみせる!」
仙人「無限の可能性か……。奇跡の子から生まれた奇跡の眼魂か。龍よ、こやつは人間の可能性未来そのものかも知れんのう」
今、人間世界をおびやかしているガンマイザーを倒せば、グレートアイにコンタクトでき、タケルを生き返らせるようにお願いすることもできるかもしれない。皆を守るための手段とタケルが生き返るための手段が一致した。これで自分の命か他人の命か、どちらか迷うことなく目標にむかって邁進できる。
大帝にすら応えてくれないグレートアイが、なんで龍たちの選んだ15個の偉人眼魂の求めには応じてくれるのか、ちょっとそこんとこは疑問が残りましたが、そこはまあ後々明かしてくれるかな?
*グリム兄弟とタケル
眼魔世界のアデルは、タケルの奇跡の眼魂によって斃されたガンマイザー達が復活しないことに、苛立ちと焦りを覚えていた。
アデル「あれは一体何なんだ?」
残り13体のガンマイザーがアデルに答えた。
ガンマイザー「ワカリマセン」
アデル「お前達は不滅の存在ではなかったのか?」
ガンマイザー「我々ニ 障害ハ アリマセン 観察 分析 適応 消去」
アデル「お前達も進化をするという事か……」
確かにガンマイザーは、ディープ・スペクターにもグレイトフル魂にも最初はやられていたが、そのたびに再生して強くなっていった。しかし今回に限っては、斃された2体のガンマイザーに復活の兆しはみられない。
アデルは、人間世界でデミア・プロジェクトの準備を進めるイゴールのもとに連絡を入れた。
アデル「天空寺タケルが新たな力を手に入れた。その力は我々にとって、唯一の障害になる可能性がある。徹底的に調べろ」
イゴール「了解です」
おりしもイゴールは、デミア・プロジェクトの大詰めの実験の真っ最中。
特殊なリストバンドをつけた状態で寝ると、その人が願った通りの楽しい夢を見ることができる。ネットでの募集を見て集まったたくさんの被験者達が、イゴールの用意した実験スペースに、幸せそうな顔で横たわっている。イゴールは彼らが楽しそうに遊んでいる夢の世界をモニターしながら、ほくそ笑む。
イゴール「テストも順調ですね。これが成功すれば、ついに……!」
その被験者達の中に、アカリの大学の研究室の担当教授、片桐ジロウが混じっていた。大切な研究発表の準備を放り出して彼が帰ってこないことを心配した兄、ユウイチがアカリのもとに相談にやってきた。が、兄弟というとこに反応したか、ふたりとも大学教授というとこに反応したか、願ったとおりの夢を見るというイベントに反応したのか、ユウイチにグリム眼魂がとりついた。ユウイチはとたんにおとぎ話の王様のような格好に。
グリム「あはっ!夢の世界なんて素晴らしいじゃないか!すごく楽しそうだね!」
グリムは、夢の世界から戻ってこないというジロウの気持ちを尊重。
グリム「無理に連れ戻さなくてもいいんだよ。楽しいって気持ちは、とっても大切なんだよ!」
それはそうだけれど、イベントの内容自体が眼魔が関わっていそうできな臭い。放ってもおけない。アカリ、タケル、マコト、アラン、御成はイゴールの実験スペースに駆けつける。イゴールはそれを見て、ちょうどよかったとばかりに、彼らの行動をモニターで観察する。
アカリ達は、眠り込むジロウ教授を発見するも、ゆすっても叩いても起きない。夢の世界に入り込んで眠り込んでいる人達を説得すべく、御成だけを見張りに残して、アカリたちもリストバンドをつけてその場で眠り、意識を夢の世界へ飛ばす。タケルは生身の肉体がないので、リストバンドをつけると魂ごと夢の世界へ入り込んだ。
そこでは、思い思いの格好をした人達が、思い思いのことをして楽しんでいた。
タケル「みんな笑ってる。でも……」
楽しそうなんだけど……それは悪いことじゃないけど……何かが違う。タケルが違和感を覚えていると、人間世界で眠りに落ちたアカリたちも夢の世界に入ってきた。そして、願いがかなってそれぞれ大喜び。
アカリ「凄い!何なのこれ!?実験のし放題じゃない!」
アカリは試薬や実験設備が揃った空間に狂喜乱舞。うん、大学の研究室はどこも予算不足に喘いでおるからのう。これは切実。
マコト「カノンがいっぱいだ!」
マコト兄ちゃんは、セーラー服やらナース姿やら海賊姿やらのいっぱいのカノンに「おにいちゃん(はぁと)」と呼びかけられて、舞い上がりまくり。……マコトにいちゃん……そりゃまずい。そりゃちょっとまずい願いだ。
アラン「ふふ……もう食べられないよ」
アランはほっぺにソースをいっぱいつけながら、たこ焼きの被り物をしてたこ焼きを食べまくり。たこ焼き王子様。無邪気なやつめ。
タケル「これが、楽しいって事?……何か違う気がする……。みんな!ここに来た目的、忘れないで!」
タケルの声で我にかえった3人の前から、欲望の産物が消えた。みんなちょっとだけがっかり。
タケル「これって、どういう事?」
アカリ「バーチャルリアリティの一種みたいね。私達の願望を読み取って、それを目の前に映し出す仕組みみたい」
ユウイチ教授も、サイエンスアカデミー賞をもらうという名誉欲たっぷりの夢を振り切って、タケル達に合流。すると間もなく、イゴールが夢の世界の中に眼魔を差し向けた。タケル、マコトは変身しようとするも、夢の世界では眼魂はきのこに、ドライバーは風船細工になってしまい、無理。仕方がないので、直接夢の世界に入ったタケルのみがトウサン魂を使って変身し、眼魔達を撃破。
イゴール「もっと追い詰めなければ、新しい力を使ってもらえませんか……」
ガンマイザー「観察 分析 私ガ 行キマショウ」
アデルの元で、ガンマイザーが1体始動した。
夢の世界で探査を続けていたアカリ達はジロウ教授を発見。ジロウ教授は虫取り網を握って、麦わら帽にランニング、短パン。気持ちだけはこどもに戻って、楽しそうに虫を追っかけていた。アカリ達をみつけると無邪気にぶんぶん手を振る。
ジロウ教授「月村くーん!」
それを見て、いかにもカタブツなユウイチ教授は激昂。
ユウイチ「なんて格好だ!見苦しい!」
ジロウ「どんな格好しようと、俺の勝手だろう!?」
ユウイチ「何言ってるんだ!早く帰るぞ!」
ジロウ「やだやだ!」
タケル「まあまあまあ、ちょっと待って!喧嘩はやめて下さい!ここは危険なんです!」
ジロウ「危険?こんなに楽しい場所に、危険なんかないよ!月村くん!これみてみて!かぶとむしー」
ジロウは夢の世界にいたがって、一向に帰ろうとする気配をみせない。そこにグリム眼魂がユウイチに再び取り憑いてジロウの加勢を始めたために、さらにややこしいことに。
グリム「人生には、楽しさは必要なんだよ!」
ジロウ「兄さん……話が分かるじゃないか!」
グリムとジロウは意気投合して、二人仲良くらんらんらん。その楽しそうな様子をみて、タケルはふと考え込んでしまう。
タケル「楽しさか……俺にとって、楽しいって何だろう?」
何やらタケルの中で子供の頃の記憶がむずむずと動き出す。それに呼応するかのように、タケルの体が一瞬光った。その光をアカリは見逃さなかった。が、訝しむ間もなく、グリムの取り憑いたユウイチ教授に変化がおきる。ユウイチは脳天気な王様の格好から、いかめしいハンター姿に。
ジロウ「に、兄さん?」
ユウイチ「むむっ、下らん!なすべき事もなさずに楽しむなど、言語道断!」
ジロウ「兄さん、さっきと言ってる事が……」
ユウイチの体に取り憑いたのはグリム兄!脳天気なグリム弟と生真面目すぎるグリム兄が互いにユウイチの体を乗っ取り合って、言い争いを始めた。
グリム弟「あはっ!兄さん、出てこないで!」
グリム兄「恥を知れ!」
グリム弟「カタいんだよ、兄さんは!」
グリム兄「お前は楽しい、楽しいばかり言いおって!」
ユウイチの体がせわしなく変化しすぎて、取り憑いて争うのはもう限界。グリム兄弟はバトルフィールドを眼魂の中に移して、喧嘩をつづける。それでも兄弟共に関智一ボイスなので、いろいろせわしないのには変わりなく。タケルも眼魂に吸い込まれて、喧嘩につきあわされる。
グリム兄「弟よ!楽しいことより大切なことがあるはずだ!」
グリム弟「何で?兄さん!楽しいって大事なんだよ!僕だってそれに救われたんだ!」
グリム兄「それとこれとは話が別だ!」
タケル「もう、喧嘩はやめて!」
グリム兄弟「「うるさい!」」
喧嘩を止めようとしたタケルは眼魂からぽいっと放り出されてしまう。だったら最初からひっぱりこまないでよ……。しかし、ニュートンとヒミコ、2つの眼魂が喧嘩したことはあっても、ひとつの眼魂の中でひとりのゴーストがふたりに分裂して大喧嘩なんて初めて。
タケル「こんなの初めてだ……どうしよう?」
そして、眼魂の外でも、片桐兄弟が決裂。
ジロウ「とにかく私は、この世界を出るつもりはないからな!」
ジロウ、遁走。追いかけようとするも、御成の悲鳴がタケルの耳に入った。現実世界でも眼魔が出たのか?とりあえずはマコトとアランが眼を覚まして現実世界に戻り、タケルとアカリ、ユウイチが夢の世界にとどまって、引き続きジロウを追うことに。が、タケル達の行く手をイゴールが塞いだ。
イゴール「こんな所でお会いするとは、奇遇ですね」
タケル「お前の仕業だったのか?ここで何をしようとしている!?」
イゴール「楽しみを提供しているんですよ」
タケル「楽しみ?」
イゴール「死なない体で永遠に続く夢。これは、あなた達の理想でしょう?」
あ、そうか!眠ったまま、夢の世界で遊んでいるジロウ教授達は、眼魔世界のカプセルの中で保管されていた人達と同じ状態なのか?てことは、眠った人達の魂はこのまま眼魂にされちゃうのか?タケルはイゴールに噛みつく。
タケル「そんなの嘘だ!俺は眼魔の世界で人が消えるのを見た!」
イゴール「ええ、嘘です。魂も体も、資源として大切に使わせてもらいます。今眠っている連中も、あと1日で出られなくなります。夢の中で死ねるなんて、なんと幸せな」
やはり人間は、眼魔世界の住民のように生かしておいてはもらえない。どうやらデミアプロジェクトとは、この世界の人間の体と魂を、なるべく傷付けないよう分離させて、それぞれを眼魔世界の住民を生かし続けるために利用する計画の模様。
カッとなったタケルはグレイトフル眼魂を使って変身。中からムサシゴーストとエジソンゴーストが飛び出して、イゴールが用意した眼魔達と鍔迫り合う。が、必殺技を出そうとした途端、タケルの体にぶれのような感覚が来て、エジソンもムサシも消滅。あれ?何かが足りないと思ったら、どうやらグリム兄弟が、眼魂の中でまだ仲間割れしている模様。
タケル「そうか……!グリムが喧嘩してるから……!」
グリム眼魂がころりと飛び出して、イゴールの手に。そんな訳でグレイトフルも解散!タケルは変身解除してしまった。
そこへ、アデルの差し向けた新しいガンマイザーがやってきた。ええーと、しずくをミルクに落とした時に出来るミルククラウンをベースにしたデザインなのかしら?ブルーに白いふちどりのひらひらが、可愛らしいフリルにも見えて、なんか愛くるしい。アカリとユウイチも眼魔に捕らえられ、タケル大ピンチ。
イゴール「新しい力を分析するまでもない。ここで終わりのようですね」
タケル「まだだ!俺は信じる……俺の無限の可能性を!」
タケルの懐が光ると奇跡の眼魂が飛び出してくる。タケルはそれを掴むと変身した。キラキララメを散らしたクリアパーツで出来た素体に白い陣羽織仕様のゴーストパーカーがばさっと被って、ムゲン魂、披露。額から生える虹色の角がチャームポイントでございます。
アデル「さあ見せてみろ。新しい力を」
アデルが見守る中、戦闘開始というところで、次回へ。
そっかー……オレ魂が砕けて、ムゲン魂になっちゃったんで、もうあの黒にオレンジをのせたブラックヒップホップなゴーストは見られないんだな……と、なんだかしみじみと。純粋に強さの度合いで考えちゃうと、初期型ってラストの方ではほとんど登場させることができなくなっちゃうんだけど、初期のゴーストとスペクターの色の組み合わせがとても綺麗だっただけに、少し残念。
全体に主人公側の話の枝葉を整理して、分散していた目的を一本化してわかりやすく。ここのところ死というものを悟りきってしまっていたかに見えたタケルが、やっと生き返ってみせると意思表示をしてくれたことに、ちょっと安心もしました。
また、最近タケルがちょっと悟りすぎて聖人化しかけていたことにも懸念を覚えていたのですが、グリム兄弟の喧嘩を通して、タケルの中での「楽しい」という感情を、これから内観していくことになります。最近のタケルが忘れていた、普通の高校生らしい感情。そこをラストに向けて徐々に取り戻していってくれると、嬉しいかなあと。やっぱり若い子には、たくさん笑って泣いて怒ってほしいですよ。うん。