激闘の末、変身が解けて川の中に倒れ込んだ大和に向かって、ザワールドが銃を向けた。
ザワールド「レベルが違いすぎたな。ゲームオーバーだ」
が、何が起きたのか、ザワールドも突然苦しみだすと、変身が解けた。その姿をみて、大和は驚愕する。 こいつ……ニンゲンだ……!
そして、私もひっそり驚愕。
この子……ウエストサイズ何センチですかーー!?
ちょっと待って、え?なに?男の子なのにウエストぎゅーっとしまってるー!?その割に意外と筋肉ついてるー!?思わず自分のだるんだるんなお腹をまじまじ見て比べてしまった動物戦隊ジュウオウジャー第18話(一部17話)感想!
あまりの衝撃にザワールドを演じている國島直希君のTwitterを覗いてみたら、ちょっとちょっと奥様、なんとこの國島君、体脂肪率3%台に絞ったんですってよ!なんだかもう理解不能レベルの絞り方。ワタクシ、エンディングのダンスが今年はちょっと難しくておさぼりしてましたが、そんな甘えたことを言ってる場合ではありませんでした。さあ、心を入れ替えて、今年も踊って絞ります。
というわけで、ジニス様がつくったさいきょうのせんし、ザワールドどどんと登場。。大和達は彼のあまりの強さに恐怖を覚えます。……まあ、間に挟んだCMで、彼の変身アイテムを『ジュウオウ ザ ライト』と売り出しているからには、追加戦士になることは確実なんでしょうねえ。そうでしょうねえ。……と、感想もたもたしているうちに追加戦士になっちゃいました。あら。
今週中にザワールド寝返るの巻、18話(前編)、19話(後編)の2本立てで感想あげます(ちょっと生活の方でいろいろ滞ってますorz)
ジニス「ところで、君たち二人にプレゼントを用意したんだ……ナリア」
アザルド「そいつは……」
ジニス「ブラッドゲームを盛り上げる、新しいおもちゃさ」
ジニスに呼ばれたナリアが連れてきたのは、ジュウオウジャーによく似た戦士。全身が黒く、胸には3頭の猛獣の姿が描かれている。ジニスはこの戦士をクバル、アザルド、どちらのゲームにも好きなときに参加させていいという。
ジニス「アザルド、ジュウオウジャーと同じ力を持つ手駒を、君たちチームリーダーがどう使うか……私はそれがみてみたいのだよ」
クバルはゲームプレイヤートランパスのピンチに、早速この切り札を使った。
ジュウオウジャー達が追い詰めたトランパスにとどめを刺そうとしたとき、彼らの武器が、どこかから飛んできた釣り糸に絡め取られて、奪われた。奪われた先には、逆光を背負って立つ黒い影が。
「はあ……つまんねえ獲物だな」
大和「ジュウオウジャー?」
セラ「もうひとりいたの?」
タスク「ありえない。最後の『王者の資格』は鳥男が持っているはずだ」
黒い姿の戦士の隣に、ナリアが現れた。
ナリア「あなた方のお仲間ではありません。これはジニス様がお作りになったブラッドゲームのエクストラプレイヤー。名づけて『ザワールド』」
大和「ジニスが……作った?」
ナリアはトランパスを退かせると、戦士にジュウオウジャー達と戦うよう命じる。ザ・ワールドは釣り竿のような武器を鞭のように使い、釣り糸で大和の体を絡め取るとそのまま岩壁に叩きつけた。それをみたセラとアムが、糸を振るいにくい間合いに滑り込む。
ザワールドは持っていた懐中電灯についている、小さなキューブを回す。すると、彼の面の一部が、オオカミのそれに変化した。
セラ「あいつ……大和とおなじことができるの?」
今度はウルフのもつ素早さで俊敏なセラ、アムを仕留め、さらにクロコダイルの力でレオ、タスクを圧倒する。
相手の属性によって、スピード系、パワー系とジューマンパワーを自在に切り替えてくるザワールドに、ジュウオウジャー達は手も足も出ない。
『野生大解放!』
彼らがさんざん痛めつけられ、弱ったところで、ザワールドは究極の形態に変化した。右腕にワニの尻尾、左腕にオオカミの爪、肩と額にサイの角をいただいた、3体のジューマンのハイブリッド。
大和「サイとオオカミとワニ……3つ同時に野生解放できるなんて……」
ザワールド「レベルが違うんだよ!」
ザワールドがジュウオウジャー全員を完膚なきまでに叩きのめし、必殺技を繰り出すと爆発が起きた。大和達は地面に這いつくばることしか出来ない。ナリアは、ザワールドの想像以上の出来栄えに満足げに笑う。
タスク「ジニスが作ったって……『王者の資格』もなしに、どうやってジューマンパワーを持った戦士を……」
ナリア「この程度、ジニス様には造作もないこと。ジュウオウイーグルから、ジュウオウゴリラへの変化に興味を持たれたジニス様は、我々に3匹のジューマンを捕獲させました」
アム「ラリーさんや、鳥男の他にも、ニンゲン界にジューマンが!?」
大和は、以前ナリアが真理夫達を拉致した理由に、やっと思い当たった。あの時、ナリアはジューマンの他に『適合者』を探しているようだった。その『適合者』って、もしかして……まさか。
大和「あのとき……助けられなかった人がいたんだ……」
ナリア「おわかりになりましたか?捕獲した3匹のジューマンとニンゲンを融合させて生み出された新たな生物、それがこの『ザワールド』です」
『ザワールド』は、3匹のジューマンとニンゲンのキメラだった。
アムは、予想以上にニンゲン界にジューマン達が多く潜んでいたことに驚き、大和は、『適合者』を助けられなかったことに後悔をにじませる。驚くポイントのちがいに、僅かにジューマンとニンゲンの差が出ている。
そして、ナリアはジニスが手にしていた『王者の資格』らしきキューブについては、一言も触れない。ジニスは、大和の形態をみて、ニンゲンに複数のジューマンパワーを注ぎ込むことが可能であることに気がついたみたいだけど、これだってジュウオウジャーが、ジューマンと『王者の資格』があってこその産物であると元々知っていなければ、この発想には辿りつけない。ジニスはジューランドとどんな関係があるのだろう?
ザワールド「せっかくだ。もうすこし遊ばせろ」
ザワールドがさらにライトを回すと、サイの角をもった大型トラックがクロコダイルとウルフのキューブをはこんできて、どどんと動物合体!
『9,7,8!トウサイジュウオー!』
ご丁寧にキューブが変型するときの声まで、チョーさんボイス。ジニスよ、そのチョーさん音声、どこで録音したよ……。そのいかにもジュウオウキューブの追加商品ですと言わんばかりの連番、どうしてつけたよ……。
大和達は僅かに残った気力と体力を振り絞って、ワイルドジュウオウキングで出るも、まるで歯が立たない。ついには、ワイルドジュウオウキングはそれぞれのキューブに解体された。
ザワールド「ああ、飽きた。そろそろおわるか」
トウサイジュウオーがとどめをさすべく、拳を振り上げる。が、ザワールドの脳内にジニスの声が鳴り響いた。
ジニス「ザワールド、そろそろ帰っておいで?もうちょっとゲームを楽しみたいからね」
ザワールド「……わかった」
トウサイジュウオーが撤退した後には、ジュウオウキューブが無残に転がるのみ。大和達はキューブの中で、ザワールドの圧倒的な力に怯え、体を縮こませることしかできない。
真理夫さんの家に帰っても、皆、ザワールドの恐怖が頭から離れない。いつもは騒がしいリビングに沈黙が落ちる。
重苦しい空気に耐えかねたレオが、テーブルに飛び乗って吼えた。
レオ「あの野郎!こんど会ったらぎったぎたにしてやる!!」
セラ「レオ、びびってんの?」
レオ「……セラこそ、びびってんじゃねーよ!」
セラ「びびってないし!」
お互い痛いところを突かれ、ぎりぎり睨み合うレオとセラ。そのぎすぎすした空気をぶち破るべく、アトリエから真理夫が飛び出して来た。が、よりによって本日の真理夫さんコスプレはサイ!どうみても文化祭レベルのコスプレなのに、ザワールドと同じサイというだけで、みんな腰を抜かすほどびびりまくる。
真理夫「しゅにーんしゅにんしゅにん」
レオ「な、なんで、今サイなんだよ!?」
真理夫「なんでって……今時代はサイだよ?サイのこどもの鳴き声しってる?しゅにーん……案外可愛いんだよ?」
大和「あ、そうそう、サイって基本おだやかなんだよね?しゅにーん、て」
真っ先に真理夫の意図を汲んだ大和が、調子を合わせて明るい声で真理夫の真似をする。思わず驚いたレオが照れ隠しもあってか、真理夫に相撲を挑み、アムが煽り、セラがたしなめる。
レオ「おれは!サイなんかにまけねーぞー!」
アム「わー、レオくんちからもちー」
セラ「もうばか!なにやってんの!もう、あんたはいつもいつも……」
いつものようにわあわあ騒ぎ始めたレオ達を眺めて、真理夫はほっとした顔をみせた。
真理夫「ああーよかった。なんか皆元気がない気がしてさ」
大和「ありがとう。もう大丈夫だから…………きっと……」
皆の様子を見て、元気づけようとしてくれる真理夫の心遣いが、大和も、レオたちも、とても嬉しい。真理夫さん……オアシスのような人だ。
しかし、大和の中に広がった不安は消すことができない。大和は真理夫にはみえない方の手をそっと握りしめた。
生き残ったトランパスが再び攻めて来た時、大和の不安は的中した。
トランパスは表面に4枚のカードが貼られた箱に、街の人々を次々に閉じ込める。
トランパス「下等生物よ、その箱を開けたいか?ならば、箱についたカードをめくるがよい。『ハート』を当てれば箱は開くのである。なお、はずれの場合は爆発する。箱を壊せば中身ごと爆発するのであーる。早く開けぬと中の者の命があぶないぞ?」
しかし、箱についてるカードはぜんぶはずれ。カードを剥がしたレオ、大和、セラはふっとばされて変身解除されてしまう。後から駆けつけたタスクとアムが、箱を開ける「ハート」をみつけだした。
タスク「お前を倒せば、箱が開くんじゃないのか?」
トランパス「どき」
トランパスから、心臓が文字通り飛び出した。ぽてんと落ちた心臓をあわてて拾うと、胸に納め直す。
トランパス「……よいしょ」
アム「ああ!ハートだ!」
トランパス「よくぞ見破ったのである。こうなればまたザワールドを呼ぶのである」
ザワールドの名をきいて、5人に動揺が走る。
トランパス「おお!ザワールド!来てくれたか!」
みんな目の前のトランパスのことを忘れて、恐怖の対象を探して目を泳がせた。その隙をトランパスが見逃すはずもなく、トランパスは姿をくらました。
おろおろするジュウオウジャー達の様子を眺めるジニス様がとても愉快そうで、どS。あん、素敵。
ジニス「本能に刻まれた恐怖は簡単にはぬぐえない。これからどう足掻くか、みものだねえ」
レオ達は、トランパスの幼稚な嘘にひっかかったことを悔しがる。
タスク「あのとき体がすくまなければ……」
アム「あーあ、予想以上にメンタル来てたねえ」
レオ「あんなの、ちょっと驚いただけだ。こんどみつけたら、絶対倒してやる!」
セラ「そうよ!ザワールドが、なんだっての!」
ひとりちょっと離れた位置でみんなのやりとりを聞いていた大和が、おもむろに口を開いた。
大和「もうやめよう? 自分ごまかしてもしょうがないよ」
レオ「じゃあどうしろってんだ!」
セラ「私達、またあいつと戦わなきゃいけないんだよ?」
大和「だからだよ……ザワールドとの戦いはさけられない。しっかり向き合うしかないんだ……」
大和は真っ直ぐにレオ達に向き合うと、自分の正直な気持ちを吐き出した。
大和「俺はザワールドが怖い……めちゃめちゃ怖い!」
ザワールドの圧倒的な力。対峙した時、大和は死の恐怖に囚われた。いくら強がってみせても、その気持ちは消すことができない。再びザワールドの前に立てば、たぶん恐怖で本能的に体が縮こまる。そして、充分なポテンシャルを発揮できないまま倒されてしまうに違いない。みっともなくても、戦士らしくなくても、そこを認めないことには先に進めない。大和の告白を受け止めたレオたちも、つぎつぎに正直に自分の弱さを認める。
レオ「……おう!おれも、ちびりそうなくれぇ怖え」
セラ「私も……夢でうなされたくらい怖かった」
アム「私も、昨日からご飯が喉通んなかった。ふふ」
タスク「実は…真理夫さんのサイのまねをみて……恐怖のあまり一瞬ジューマンに……」
ここで衝撃の回想映像!確かに象がひっそり画面の隅に映り込み、ぱおーって叫び声がしっかり入ってるし。わあ、きづかんかったよ。
レオ「なんだよ、びびりすぎだろ!
タスク「仕方がないだろ!」
大和「それでも……みんなを助けたい」
レオ「ああ」
タスク「この星を守りたい」
大和「ザワールドが強いかどうかなんて、関係ないんだ。考えよう、皆を助ける方法を」
小高い丘の上から、大和達は街を見渡した。ザワールドは怖いけど、びびってばかりじゃいられない。この星を守るためにできることをしよう。彼らは決死の作戦を実行する。
ザワールドの名を出せば、ジュウオウジャー恐るに足らず! と、たかをくくったトランパスが、ふたたび街を襲撃しにきた。駆けつけたジュウオウジャーをみて、ザワールドの名をこれみよがしに呼ぶトランパスだったが、さすがにもう騙されない。
大和「俺たちを……なめるなよ」
クバル「ああ!あのばかもの。調子に乗り過ぎです……ジニス様」
ジニス「さあ、乱入しておいで?ザワールド」
今度は本当にザワールドがやってきた。ジューマンの毛は逆立ち、最大級の警戒で身構える。
大和「みんな……いくぞ!」
ザワールドの初手は思ったとおり、釣り糸での攻撃。セラが一本釣りされるも、アム、タスク、レオもセラの体にしがみつき、一緒に釣り上げられ、たたきつけられる。しかし、4人もぶらさがって重くなったせいか、思ったよりダメージは少ない。そして、これはおとりだった。
今度は死角に立った大和が、ザワールドを鞭で釣り上げ、そのまま空へ舞い上がった。大和はザワールドを街から引き離し、全速力で人里はなれた渓谷へ飛んでゆく。
アム「作戦成功」
セラ「あんたの相手は、私達よ!」
本能的な恐怖から解放されたセラ、アム、タスク、レオは一斉にトランパスへ襲いかかる。トランパスを倒さないことには、箱に閉じ込められた街の人達は救えない。トランパスを確実に仕留めるために、恐怖の根源であるザワールドを、飛翔能力のある大和が現場から離した。しかし、そのために大和はたったひとりでザワールドと対峙することになる。
ザワールドは空飛ぶ大和を狙撃すると、共に川の浅瀬に落ちた。
ザワールド「この俺をひとりで引き受けるか……いいだろう。その度胸に免じて遊んでやるよ」
大和「望むところだ!」
水を弾きながら、川の中で壮絶な戦いを繰り広げる、ザワールドと大和。しかし、本能的な恐怖にかられながらも、必死に向かっていく大和に対して、ザワールドは余裕な態度を崩さない。いたぶられた大和は、じわじわと追い詰められていく。
同時刻。街では、レオ達にあっさり倒されたトランパスが、ジニスのエネルギーコインを挿れられて、巨大化した。
その気配を敏感に察知して、一瞬、ザワールドの気が逸れた。
その隙を大和は見逃さない。イーグルからゴリラにチェンジした大和は、改めてザワールドに組み付く。やせぎすな体格のザワールドに対して、マッチョなゴリラ態は、イーグル態よりは接近戦で有利。力比べでもほぼ互角。凄まじい取っ組み合い。
一方街では、レオたちも苦戦を強いられていた。巨大化したトランパスに対してワイルドジュウオウキングで出るも、普段通りの力が出せない。
タスク「大和がいないぶん、フルパワーがでないんだ」
セラ「でもやるしかない!」
アム「大和くんだって、ひとりでがんばってくれてるんだ!」
たったひとりで、あの恐ろしいザワールドに立ち向かっている大和のことを思えば、パワー不足なんて大した問題じゃない。全員で気力を振り絞り、なんとかトランパスを倒すことができた。
大和もザワールドを相手に善戦するが、『野生大解放』のまえに大和の体はずたずたに斬られ、殴られ、ふっとばされる。川面にたたきつけられた大和は変身解除してしまった。
ザワールド「レベルが違いすぎだな。ゲームオーバーだ」
ザワールドの銃が大和に向けられる。大和は死を覚悟して、目をつむった。しかし、聞こえてきたのは、銃声ではなく、ザワールドの唸るような叫び声。
恐る恐る目を開けた大和が目にしたのは、ザワールドではなく、半裸の男が頭を抱えて悶え苦しむ様。その姿は、大和と同じ、まぎれもないニンゲン。ザワールドに何がおきたのか。大和が困惑するところで次回へと話はつづきます。
圧倒的な力を恐しいと思う気持ち。多かれ少なかれ、誰にでもあるもので、誰もその恐怖から逃れることはできない。ここをちゃんと認めた上で、その恐怖に対処する作戦をとってきました。従来の戦隊ものだと、訓練して強くなることで相手への恐怖を払拭するのが定番ですが、そういうマッチョな精神論を外してきました。
自分たちの弱さを受け入れた上で、敵を倒すことを主眼におかず、箱に閉じ込められた人を助けるためには何が近道なのかを模索した作戦。狙いどおりに、「ハート」を持つトランパスをすぐに倒すことができましたが、大和がひとりで圧倒的な恐怖を引き受けることになります。
たぶん、本当は釣り上げたザワールドを遠く離れたところで落っことして、大和自身は逃げてくる作戦だったのでしょうが、そうはいかなかった。正面きっての対決になった以上、大和はここで勝てるとは思っていない。恐怖にかられながらも、皆少しでも長く足止めするために、捨て身で相手に食らいついていく大和が切ない(おかげで川の中でのすばらしい殺陣を、充分に堪能することができましたが^^;)。どうして大和は土壇場で自分の命よりも、他人を優先しちゃう方向に走っていくんだろう?単に、ヒーローだから皆を守って戦う……ですませない雰囲気が、今年の戦隊には漂っています。
なんとはなしにもやもやしたものを残しつつ、19話、ザワールドデレたでござるの巻に続きます。