「シン・ゴジラ」2016年 日本 119分 総監督・脚本・編集 庵野秀明/准監督・特技統括 尾上克郎/監督・特技監督 樋口真嗣
↑というわけで、ついうっかり大散財。疲れてたの……疲れてたのよう……orz。
夏だ、イベントだ、やっほう!てなわけで、待ちに待ってた「シン・ゴジラ」!お化け屋敷は一切ダメだが、絶叫マシンはドンと来いなこの私。恐れ知らずにもゴジラ本拠地、東宝シネマズ新宿にて、初MX4D体験してきました。
結果……ハンカチで必死に口元抑えながら大泣きでした。いや、感動したとかそういう以前にね。
怖い!めっちゃ怖い!いやああ!おうち帰るのー!!
どどどどどうすれば生き残れるのか、誰か教えてくださーい……(超へたれ)。
ゴジラが歩くたんびに揺れるわ、ビル崩れるたびにゆっさゆっさするわ、水しぶきやら体液やら飛ぶシーンで、顔にびしゃって水かかるわ。停電するときやミサイル発射するときに、劇場全体がぴかってフラッシュするわ、やーもうね、MX4Dって、飲み物持ち込みOKっていうから、まあそんなに怖くないだろうと思ってました。舐めてました。すんまへん。絶叫マシンの怖さというより、お化け屋敷の怖さです。
あ、これからMX4D観る方で、メガネの人は膝にハンカチ置いといた方がいいです。メガネ、半端なく濡れます。
あのですね、某島本和彦先生がですね。以下のようなツイートをしているのをおみかけしたんですけどね。
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島本和彦、8/14日曜日西地区れ 56a???@simakazu
いや違った、そういう絶望のホノオくんごっこをしに劇場に行ってほしい

17:39 - 2016年7月29日
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いや、うんちく語っていい上映も賛成なんですが、ワタクシはそれ以前に2014年のハリウッド版「GODZILLA」上映時から、「泣き叫んでもいい上映」を切望しております。お願いだから、叫ばせてよ!ねえ!今日も極力抑えたつもりだったのですが、ひーって声漏れてたと思う。隣のメガネの高校生らしき兄ちゃん、超ごめんね。
映画の内容自体は、ネタばれを考慮すると喋りにくいんだけど、観るかどうか迷っている人に是非伝えたいことを、3点だけ。
その1 役者がみんな上手い
正直申し上げると、今までの怪獣映画って、怪獣がメインで客が呼べるのをいいことに、必ず何人か「あちゃー(´;ω;`)」な演技力を披露してくれる新人さんが混じっておりました。が、今回はこれだけ大人数が出ているにもかかわらず、主役級は言うに及ばず、端役にいたるまで皆上手い!途中で演技の下手さに醒めることなく、安心して映画の世界観に没入できます。
本来役者でない人達も何人か混じってますが、そういった人達には、役者でない朴訥な口振りが、かえってリアリティを増す役を振っているんですね。キャスティングがびっくりするほどうまい。
個人的には高橋一生さん、市川実日子さん、平泉成さんがとてもお気に入り。すっごくいい味出していました。
その2 微に入り細を穿つ世界観の構築
「(脚本は)庵野さんが全部自分で書いて自分で直しました。庵野さんの作業は非常に理論的です。本物はどうなっているんだという精査から始まります。書いていく内に、疑問が出てくると、庵野さんが直接取材に行って、非常に小さなことでも間違っているところがあると直しが入り、それに従ってこっちも違ってくるとか、役職名が変わるとか、この人の立場ではこの台詞は言わないとなると、一人の台詞が二人に振り分けられたり、増えたりとか、どんどん変わっていくんですよ」
(洋泉社『特撮秘宝Vol.4』P.47 准監督・特技統括 尾上克郎氏インタビューより)
細部に渡って現実世界にできるだけ近づけようと、庵野監督だけでなく、スタッフ全員が、隅々にまで気をつかった仕事をしています。実際に首都圏で大災害が生じたときのシュミレーションにもちゃんとなってる。結果、ゴジラという超虚構生物を主役に据えているにもかかわらず、リアリティのある極上のパニックムービーに仕上がってます。
その3 BGMオリジナル音源起用の大英断
最近の映画は、音響システムが飛躍的に向上し、ドルビーシステムも次々に最新の技術が採用されています。過去の作品のリメイクをする際に、その作品とは切っても切り離せない有名なテーマソングを採用するときも、たいていはアレンジし直したり、リマスターになります。
なぜなら、数十年前の技術で録音されたオリジナル音源を新システムで再生すると、どうしてもしょぼく聞こえてしまい、他の新録のBGMや劇中音との違和感がどうしても出てくるからです。が、今回は大変重要なシーンで、モノラルの伊福部昭オリジナル音源を使用するという、大変勇気のいる決断がなされています。
「発売日からの逆算スケジュールゆえ、CDは映画本編より先行して完成させなければならない。ここに収録されているのはその時点のステレオ音源のほうである。
しかし、CDの完成直後、このライナー執筆と同時に本編の仕上げも進む中、ダビング作業時に庵野総監督の判断ですべての伊福部楽曲は(track02,08,09,19)はオリジナル音源をそのまま使用することになった。」(キングレコード『シン・ゴジラ 音楽集』各曲解説より 2016年6月 記・鷺巣詩郎)
この英断が、映画の演出にどういう効果をもたらしたか?映画館に足を運んで、自分の耳と目で、ぜひご確認を。
ちなみに、私も旦那も怖いとは別の意味で号泣でした。往年のファンにたいする庵野監督一流のおもてなし、効いてます。
ちなみにワタクシの実家、ゴジラ進行のルート上にありました。あー……これ、完全にうち壊れたわ。