鉄之助「なるほど、持っている力や反応の速さ、なにより勢いは、忍びというより野生的。いや、動物的というべきか…?」
天晴「自慢じゃないけど、あいつらより長く修行してたからな!」
鉄之助「でも、お前ばかだろ?」
天晴「自慢じゃないけど、あいつらより頭使うの苦手だからな!」
ばかと言われて、えっへんと胸を張る天晴は、まさにお天道様に恥じることのない威風堂々のばか…!
好きだわー、おばちゃん、こういうおばかさん大好き。天晴にはおばか道をどうどうと極めて欲しいと心から願った、手裏剣戦隊ニンニンジャー第20話感想です。ああ、もうまた周回遅れorz。時間の使い方考え直さねば。
霞「とにかくおじいさまも手懐けられなかったライオンハオーを手懐けられれば、あの妖怪ヌエにも勝てるはずです」
凪「そうすれば、キンさんの弟子入りも許してもらえるはずだよ」
この2クール全体に渡る大きなふたつの課題が消化された回。
最終ゴールはみえていたのですが、そこへいたる過程での、天晴と雑賀鉄之助の禅問答のようなやりとりが意外と深い。
この作品の一大テーマである「継ぐことの意味」の一端を、ちゃんと考えさせる内容になっていました。
*伊賀崎天晴
前回ラストで、天晴のなかに好天の影を見て、天晴とは物別れに終わった獅子王。
ラストニンジャ・好天と何故相容れなかったのか、獅子王は当時のことを思い出していた。
好天『ラストニンジャの使命は世の中を、人々をまもること。お前の力が必要だ…ワシについて来い!』
獅子王『ついていってどうする?ひと暴れさせてくれるのか』
好天『お前は何も言わずにワシに従えばよい』
獅子王『冗談じゃねえ!俺は暴れたいだけだ!オトモ忍を単なる駒とおもうなよ!』
好天が獅子王に求めたのは、封建的な主従関係。
オトモ忍は、好天と先代鉄之助が作り上げたもの。創造主が服従を求めるのは当然といえば当然だけれど、誇り高い精霊、獅子王はそれを良しとしなかった。
一緒に暮らし、獅子王のそんな気持ちを理解している鉄之助は、そのことをわからせるために、天晴の一番刀を奪う。ヌエが出現し、他のみんなが戦いに赴くも、鉄之助は天晴に一番刀を返そうとしない。
鉄之助「ひとつきかせろ。ライオンハオーを手懐けてどうする?」
天晴「ラストニンジャになって、牙鬼から世の中を守るんだ!」
鉄之助「その答えじゃ奴は力を貸さんぞ。じゃあ、こう訊く。お前は仲間の為になにができる?」
天晴「なんだろーな…」
鉄之助「ちょっとは頭を使え!」
天晴「頭使うって一番にがてだー!!」
天晴の中から答えを引っ張り出すまで、天晴を戦いに参加させないつもり。そうやって極限状態まで追い込んで、彼を自分の頭で考えさせる方向に持って行こうとがんばっている。
一番刀を持って逃げ回るうち、ついに、ニンニンジャー達の戦いが一望できるところに出る。
鉄之助「頭を使うまで行かせん。一度落ち着いて仲間をみてみろよ」
天晴「ああ、もう!八雲と霞がイケイケドンドンになってどうすんだよ!
キンちゃんも一人だと強いのに、なんで遠慮するかなー?
風花と凪はちょこまかしてるんだから、ちゃんとちょこまかしろって!」
天晴の仲間への評価は、獅子王と同じ。さすが一緒に戦ってきただけのことはあって、天晴は本能的な部分で、戦いの中での彼らの活かし方を会得している。だが、天晴を欠いた状態で、彼らのよさは半減。4人の戦い方のまずさに、天晴は歯痒さを覚える。
それをきいて、鉄之助は彼の見立てが獅子王と一緒であることを指摘する。昨日、寺で獅子王と戦った時に言われたことを思い出す天晴。
そうだ、今言ったことが、彼らのいいところなんだ。
そこに気がついた天晴は唐突に理解する。
天晴「そうか!わかったぜ、てっちゃん!」
鉄之助「てっちゃん?」
天晴「八雲と霞はアタマいいんだ!風花と凪はすばしっこいんだ!キンちゃんはふつうに強いんだ!だから俺も自由に暴れられた!…俺がみんなといれば、みんなも暴れられて、全員でもっと強くなるんだ!」
天晴は解にたどり着く。それは既に戦いの中で体で会得していたことだけれど、自分で考えて言語化できた意味は大きい。
鉄之助「もう一度訊く。お前は仲間の為になにができる?」
天晴「みんなのいいとこを引き出せる。でもそのためにはみんなが必要だ。
おっちゃんも同じだ。おっちゃんが暴れれば、俺たちはもっと強くなるし、俺たちがよさをだせれば、おっちゃんはもっと強くなる!」
鉄之助は破顔一笑。一番刀を天晴に投げ返す。それが答え。
鉄之助「いい答えがきけた。いって来い!」
天晴「ありがとな!」
戦列に戻った天晴は、キンちゃんになにがあったのかと問われるが、天晴は快活に答える。
天晴「俺がばかってこと、再確認してかんがえた!」
すごい答え!ばかだから皆の助けが必要だし、ばかだから皆が考えすぎて動けないとこを打ち破る力もある。だから、誰かが主で誰かが従じゃなくて、皆一緒に、それぞれのいいところを活かそう。
「八雲、霞!俺が時間を稼ぐから何か考えてくれ!凪と風花とキンちゃんも援護をたのむぞ!」
天晴はてきぱき指示を飛ばす。
獅子王「もう一度きかせろ小僧!俺を手懐けてどうする?」
天晴「もう手懐けるつもりはない!だから一緒にあばれようぜ!」
獅子王「ふん、一緒にか…どうなってもしらねえぞ!オトモなれども暴れるぜ!」
ついに、天空のオトモ忍が天晴と
共に戦うことに。アカニンジャーのガワが変化すると戦国武将のような姿に。超絶パワーでヌエを撃破する。
さらに巨大戦でも、天空のオトモ忍が人型ロボット、ライオンハオーに…て!コックピットないのー、これ!?
むき出しでしかも、1番狙いやすそうな胸のど真ん中に、天晴がちんまり座ってるし!!うわー、これ無理!火花とかがれきとか飛んでくるし、無理!防御とかいろいろ考えちゃう人には使いこなせない…。なるほど、これは天晴向き。
今回、天晴がたどりついた解答は、4話でおじいちゃんに示唆されたおでんの教訓
「いろんなおでん種があるから、互いを引き立てあって、たまごそのものも旨くなるのじゃ」
を一歩進めただけものですが、
数々の戦いをくぐり抜けた天晴の経験から改めて引っ張り出されたこの解答の重みは、4話とはまったく違う質感のものでした。
そして好天じいちゃんとはちょっと違う結論に着地している。
じいちゃんはあくまでもたまご(天晴)が最後に1番旨くなるために、他の具が必要というニュアンスでした。そこにあるのは、たまごが主で、他の具が従という主従関係。
しかし、今回の天晴は、たまごもはんぺんもちくわもみんな美味しい、すべての具が合わさってこそのおでんという結論に。
好天「やつと共に戦うことのできなかったわしを、ちょっとだけ超えたとみなそう。お前たちには、ワシにはない可能性がある。それがよくわかった。
お前たちの意見をきいて、スターニンジャーの弟子入りをちょっとだけ許す。今日からわしの弟子見習いじゃ」
好天も、自分の考えをまるまる引き継がず、ライオンハオーを『手懐け』ずに、『仲間』扱いした天晴のことをチクリと諌めつつも、彼らと自分の考えの違いに可能性を見出している。
この先代とのズレが、たぶん天晴達の「継ぐことの意味」に大きな影響を持ってきそう。
たぶんこのシリーズを通して『伝承』と『伝統』の違いを描こうとしているんじゃないかな?
ええと、この違い、話し出すと長くなるので、もう少し話が進んだ時に、どこかで記事をたてられれば…と思います。できるかな?
あ、ラストに天晴がキンちゃんに抱きついてクルクルする画は、なんだか可愛かったです。ごちそうさまでした!キンちゃん、180センチの男子をかかえて、ぐるぐるーって、痩せて見えるのに筋力あるなぁ!
*22代目雑賀鉄之助
お父さんから先代の名前を継いだばかりの少年カラクリ技師、22代目雑賀鉄之助が天晴の中から解答を導いていくさまは、熟練の老師が未熟な弟子を導いていくようでもあり。
たぶん、まだ少年でありながら「雑賀鉄之助」の名前を継がなければいけなくなった時に、彼は真剣に自分にとっての「継ぐことの意味」を考え抜いたに違いなく。
鉄之助「これで、ライオンハオーも心置きなく暴れられます…俺自身も。
あとはあなたが、彼らをどうするかです」
好天「それとこれとは別問題じゃよ」
鉄之助「十六夜との失敗を恐れるとはあなたらしくもない。『可愛い孫には旅をさせよ』というじゃありませんか?」
好天「それをいうなら、『かわいい子には旅をさせよ』…じゃ」
その思考の過程が、彼の言葉に重みを持たせ、最後にラストニンジャ好天と対等に話をし、意見までするという大人びた雰囲気に表れることになりました。なんだか、おだやかな鉄之助のほうが、やんちゃな好天を窘めている大人にみえます。この子、先代に相当「旅をさせ」られたな。
獅子王とラストニンジャの関係がうまくいかず、間に立った先代のお父さんは、ずいぶん困っていた様子。依頼の品を納品できなかったようなもんだからなぁ。
そのことに責任を感じたか、獅子王は、22代目が一人前の技師になれるまで見守る為に、鉄之助とボロ寺で一緒に暮らしてるらしいけど、酒ばかり飲んでて、役に立ってるんだか邪魔なんだか。
鉄之助「ずっと待ってたんだよ…あんたを使いこなせそうなやつを」
獅子王「あいつが、俺をつかいこなすだと!」
鉄之助「暴れたいんだろ?暴れさせてくれるやつを探していたんだろ?
22代目雑賀鉄之助、初めて作り上げたカラクリだ。先代の傑作をさらに高める。それが俺の役目。もう俺のことは心配いらないから暴れてこいよ!」
獅子王「面白え!」
獅子王を装具に変換させるカラクリを作り上げた鉄之助。彼は先代の傑作であるライオンハオーの活かしどころを、名前を継いだ者の責任として模索していた。先代の傑作を守り、最高の状態で使えるようにしていく。それが彼のみつけた「継ぐことの意味」。
また、名前を継いでからの初仕事として、獅子王を活かすための道具を作ったのには、彼なりに心配をしていてくれていた獅子王への感謝の意味もあるのかな?
常にぎすぎすしていたやりとりをしていた鉄之助と獅子王が、最後に笑い合うシーンは、長い間反目しあっていた父と子の和解のようにも見えて、この2人の間にいろいろなドラマがあったんだろうな、と想像するにかたくないシーンでした。いいなあ、こういうの。
獅子王は彼の作ったカラクリの中に収まってしまい、そのカラクリはニンニンジャー達に手渡され、獅子王と鉄之助の生活は終わりを告げました。
でもこのコンビには、また出てきて欲しいな。「継ぐ意味」を考えていく上で、天晴達のいい指針になりそうです。
天晴「自慢じゃないけど、あいつらより長く修行してたからな!」
鉄之助「でも、お前ばかだろ?」
天晴「自慢じゃないけど、あいつらより頭使うの苦手だからな!」
ばかと言われて、えっへんと胸を張る天晴は、まさにお天道様に恥じることのない威風堂々のばか…!
好きだわー、おばちゃん、こういうおばかさん大好き。天晴にはおばか道をどうどうと極めて欲しいと心から願った、手裏剣戦隊ニンニンジャー第20話感想です。ああ、もうまた周回遅れorz。時間の使い方考え直さねば。
霞「とにかくおじいさまも手懐けられなかったライオンハオーを手懐けられれば、あの妖怪ヌエにも勝てるはずです」
凪「そうすれば、キンさんの弟子入りも許してもらえるはずだよ」
この2クール全体に渡る大きなふたつの課題が消化された回。
最終ゴールはみえていたのですが、そこへいたる過程での、天晴と雑賀鉄之助の禅問答のようなやりとりが意外と深い。
この作品の一大テーマである「継ぐことの意味」の一端を、ちゃんと考えさせる内容になっていました。
*伊賀崎天晴
前回ラストで、天晴のなかに好天の影を見て、天晴とは物別れに終わった獅子王。
ラストニンジャ・好天と何故相容れなかったのか、獅子王は当時のことを思い出していた。
好天『ラストニンジャの使命は世の中を、人々をまもること。お前の力が必要だ…ワシについて来い!』
獅子王『ついていってどうする?ひと暴れさせてくれるのか』
好天『お前は何も言わずにワシに従えばよい』
獅子王『冗談じゃねえ!俺は暴れたいだけだ!オトモ忍を単なる駒とおもうなよ!』
好天が獅子王に求めたのは、封建的な主従関係。
オトモ忍は、好天と先代鉄之助が作り上げたもの。創造主が服従を求めるのは当然といえば当然だけれど、誇り高い精霊、獅子王はそれを良しとしなかった。
一緒に暮らし、獅子王のそんな気持ちを理解している鉄之助は、そのことをわからせるために、天晴の一番刀を奪う。ヌエが出現し、他のみんなが戦いに赴くも、鉄之助は天晴に一番刀を返そうとしない。
鉄之助「ひとつきかせろ。ライオンハオーを手懐けてどうする?」
天晴「ラストニンジャになって、牙鬼から世の中を守るんだ!」
鉄之助「その答えじゃ奴は力を貸さんぞ。じゃあ、こう訊く。お前は仲間の為になにができる?」
天晴「なんだろーな…」
鉄之助「ちょっとは頭を使え!」
天晴「頭使うって一番にがてだー!!」
天晴の中から答えを引っ張り出すまで、天晴を戦いに参加させないつもり。そうやって極限状態まで追い込んで、彼を自分の頭で考えさせる方向に持って行こうとがんばっている。
一番刀を持って逃げ回るうち、ついに、ニンニンジャー達の戦いが一望できるところに出る。
鉄之助「頭を使うまで行かせん。一度落ち着いて仲間をみてみろよ」
天晴「ああ、もう!八雲と霞がイケイケドンドンになってどうすんだよ!
キンちゃんも一人だと強いのに、なんで遠慮するかなー?
風花と凪はちょこまかしてるんだから、ちゃんとちょこまかしろって!」
天晴の仲間への評価は、獅子王と同じ。さすが一緒に戦ってきただけのことはあって、天晴は本能的な部分で、戦いの中での彼らの活かし方を会得している。だが、天晴を欠いた状態で、彼らのよさは半減。4人の戦い方のまずさに、天晴は歯痒さを覚える。
それをきいて、鉄之助は彼の見立てが獅子王と一緒であることを指摘する。昨日、寺で獅子王と戦った時に言われたことを思い出す天晴。
そうだ、今言ったことが、彼らのいいところなんだ。
そこに気がついた天晴は唐突に理解する。
天晴「そうか!わかったぜ、てっちゃん!」
鉄之助「てっちゃん?」
天晴「八雲と霞はアタマいいんだ!風花と凪はすばしっこいんだ!キンちゃんはふつうに強いんだ!だから俺も自由に暴れられた!…俺がみんなといれば、みんなも暴れられて、全員でもっと強くなるんだ!」
天晴は解にたどり着く。それは既に戦いの中で体で会得していたことだけれど、自分で考えて言語化できた意味は大きい。
鉄之助「もう一度訊く。お前は仲間の為になにができる?」
天晴「みんなのいいとこを引き出せる。でもそのためにはみんなが必要だ。
おっちゃんも同じだ。おっちゃんが暴れれば、俺たちはもっと強くなるし、俺たちがよさをだせれば、おっちゃんはもっと強くなる!」
鉄之助は破顔一笑。一番刀を天晴に投げ返す。それが答え。
鉄之助「いい答えがきけた。いって来い!」
天晴「ありがとな!」
戦列に戻った天晴は、キンちゃんになにがあったのかと問われるが、天晴は快活に答える。
天晴「俺がばかってこと、再確認してかんがえた!」
すごい答え!ばかだから皆の助けが必要だし、ばかだから皆が考えすぎて動けないとこを打ち破る力もある。だから、誰かが主で誰かが従じゃなくて、皆一緒に、それぞれのいいところを活かそう。
「八雲、霞!俺が時間を稼ぐから何か考えてくれ!凪と風花とキンちゃんも援護をたのむぞ!」
天晴はてきぱき指示を飛ばす。
獅子王「もう一度きかせろ小僧!俺を手懐けてどうする?」
天晴「もう手懐けるつもりはない!だから一緒にあばれようぜ!」
獅子王「ふん、一緒にか…どうなってもしらねえぞ!オトモなれども暴れるぜ!」
ついに、天空のオトモ忍が天晴と
共に戦うことに。アカニンジャーのガワが変化すると戦国武将のような姿に。超絶パワーでヌエを撃破する。
さらに巨大戦でも、天空のオトモ忍が人型ロボット、ライオンハオーに…て!コックピットないのー、これ!?
むき出しでしかも、1番狙いやすそうな胸のど真ん中に、天晴がちんまり座ってるし!!うわー、これ無理!火花とかがれきとか飛んでくるし、無理!防御とかいろいろ考えちゃう人には使いこなせない…。なるほど、これは天晴向き。
今回、天晴がたどりついた解答は、4話でおじいちゃんに示唆されたおでんの教訓
「いろんなおでん種があるから、互いを引き立てあって、たまごそのものも旨くなるのじゃ」
を一歩進めただけものですが、
数々の戦いをくぐり抜けた天晴の経験から改めて引っ張り出されたこの解答の重みは、4話とはまったく違う質感のものでした。
そして好天じいちゃんとはちょっと違う結論に着地している。
じいちゃんはあくまでもたまご(天晴)が最後に1番旨くなるために、他の具が必要というニュアンスでした。そこにあるのは、たまごが主で、他の具が従という主従関係。
しかし、今回の天晴は、たまごもはんぺんもちくわもみんな美味しい、すべての具が合わさってこそのおでんという結論に。
好天「やつと共に戦うことのできなかったわしを、ちょっとだけ超えたとみなそう。お前たちには、ワシにはない可能性がある。それがよくわかった。
お前たちの意見をきいて、スターニンジャーの弟子入りをちょっとだけ許す。今日からわしの弟子見習いじゃ」
好天も、自分の考えをまるまる引き継がず、ライオンハオーを『手懐け』ずに、『仲間』扱いした天晴のことをチクリと諌めつつも、彼らと自分の考えの違いに可能性を見出している。
この先代とのズレが、たぶん天晴達の「継ぐことの意味」に大きな影響を持ってきそう。
たぶんこのシリーズを通して『伝承』と『伝統』の違いを描こうとしているんじゃないかな?
ええと、この違い、話し出すと長くなるので、もう少し話が進んだ時に、どこかで記事をたてられれば…と思います。できるかな?
あ、ラストに天晴がキンちゃんに抱きついてクルクルする画は、なんだか可愛かったです。ごちそうさまでした!キンちゃん、180センチの男子をかかえて、ぐるぐるーって、痩せて見えるのに筋力あるなぁ!
*22代目雑賀鉄之助
お父さんから先代の名前を継いだばかりの少年カラクリ技師、22代目雑賀鉄之助が天晴の中から解答を導いていくさまは、熟練の老師が未熟な弟子を導いていくようでもあり。
たぶん、まだ少年でありながら「雑賀鉄之助」の名前を継がなければいけなくなった時に、彼は真剣に自分にとっての「継ぐことの意味」を考え抜いたに違いなく。
鉄之助「これで、ライオンハオーも心置きなく暴れられます…俺自身も。
あとはあなたが、彼らをどうするかです」
好天「それとこれとは別問題じゃよ」
鉄之助「十六夜との失敗を恐れるとはあなたらしくもない。『可愛い孫には旅をさせよ』というじゃありませんか?」
好天「それをいうなら、『かわいい子には旅をさせよ』…じゃ」
その思考の過程が、彼の言葉に重みを持たせ、最後にラストニンジャ好天と対等に話をし、意見までするという大人びた雰囲気に表れることになりました。なんだか、おだやかな鉄之助のほうが、やんちゃな好天を窘めている大人にみえます。この子、先代に相当「旅をさせ」られたな。
獅子王とラストニンジャの関係がうまくいかず、間に立った先代のお父さんは、ずいぶん困っていた様子。依頼の品を納品できなかったようなもんだからなぁ。
そのことに責任を感じたか、獅子王は、22代目が一人前の技師になれるまで見守る為に、鉄之助とボロ寺で一緒に暮らしてるらしいけど、酒ばかり飲んでて、役に立ってるんだか邪魔なんだか。
鉄之助「ずっと待ってたんだよ…あんたを使いこなせそうなやつを」
獅子王「あいつが、俺をつかいこなすだと!」
鉄之助「暴れたいんだろ?暴れさせてくれるやつを探していたんだろ?
22代目雑賀鉄之助、初めて作り上げたカラクリだ。先代の傑作をさらに高める。それが俺の役目。もう俺のことは心配いらないから暴れてこいよ!」
獅子王「面白え!」
獅子王を装具に変換させるカラクリを作り上げた鉄之助。彼は先代の傑作であるライオンハオーの活かしどころを、名前を継いだ者の責任として模索していた。先代の傑作を守り、最高の状態で使えるようにしていく。それが彼のみつけた「継ぐことの意味」。
また、名前を継いでからの初仕事として、獅子王を活かすための道具を作ったのには、彼なりに心配をしていてくれていた獅子王への感謝の意味もあるのかな?
常にぎすぎすしていたやりとりをしていた鉄之助と獅子王が、最後に笑い合うシーンは、長い間反目しあっていた父と子の和解のようにも見えて、この2人の間にいろいろなドラマがあったんだろうな、と想像するにかたくないシーンでした。いいなあ、こういうの。
獅子王は彼の作ったカラクリの中に収まってしまい、そのカラクリはニンニンジャー達に手渡され、獅子王と鉄之助の生活は終わりを告げました。
でもこのコンビには、また出てきて欲しいな。「継ぐ意味」を考えていく上で、天晴達のいい指針になりそうです。