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Channel: 出の目鱈の目魚の目は痛い
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仮面ライダードライブ 第38話 メディックとハートと進ノ介の感想

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いままで『ハート様と私だけの世界』を実現するために、小物ロイミュードを密かに粛清してきたメディックちゃん。全部ハート様にばれてしまいました。
ドライブと戦って森に落ちたハート様の無事を喜ぶも、ハート様は冷たく脇をすり抜け去って行く。
傷心を抱えて、街をさまようメディックちゃんは、ハート様とのカフェでのランチデートを思いだす。あの時は、楽しかった…メランコリックに思い出にふけるメディックの肩に、うぞうぞとブレンがよじ登る。

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ブレン「どうやらあなたは、ハートの信頼を失ったようですね。さあ、今こそ超進化態である私に体を与え……やめなさいメディック!落ち着いて!」

ブレンさん、懲りずにメディックちゃんをあざ笑いに現れ、またべちゃんと潰されて…ここ2話のブレンさん、メディックちゃんに潰されるためだけの存在意義orz。仮面ライダードライブ第38話感想。

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やってることは悪辣でもえげつなくても、恋する乙女、メディックちゃんの横顔はたまらなく可愛いんだな、ちくしょー。騙されちゃならんと思いつつも、ハート様を想う気持ちだけは正真正銘の本物だから、タチが悪いんだなー、もー…。回想シーンでハート様がパスタを食べてる横で、嬉しそうにその様子を眺めるメディックちゃん、さいっこーに可愛かったっす。ああ、どうしたもんかorz。

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さて、メディックのピュアな恋心が進ノ介を惑わせ、ハートを超進化させるというお話。まさかメディックがヒロインとして機能してくるとは思わんかった。

*メディック

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今回の連続ロイミュード発火事件は、メディックが裏で糸を引いていた。
ロイミュードは、人間が本来持つ感情がたかぶると進化していく。例えば美味しいものを食べて、美味しい!とうっとりする感情も当然含まれる。最初は偶然シュプレムの料理を口にして、味覚に刺激をうけ、感情がたかまった086が発火。
そこに目を留めたメディックは、090を料理人としてシュプレムに送り込み、より美味しいソースを作りたい、味覚を極めたいと願う店主の気持ちにつけ込ませた。
店主は090と融合することで、味覚が数倍にも鋭敏になることに気がつき、090と共に改良型ソース作りにのめり込む。メディックはそのソースで、次々にロイミュードの体を使った実験を繰り返していった。
そのソースは最初こそ大きな発火事故になったものの、調整の甲斐があって、ロイミュードの発火は徐々に抑えられるように。前回ソースを与えた死神は、暴走に苦しみながらも、自分から発生した火球を使って、仮面ライダーに攻撃を加えられる所までこぎつけていた。ロイミュードを超進化させられるソースができるまで、あとひと息。
しかし、進ノ介達にシュプレムの存在を知られてしまい、さらにハートにもロイミュードを実験台にしていたことを知られて、嫌われてしまった…。

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ふらふら街をさまようメディック。瀟洒なカフェが、彼女の目に入った。
そこは以前、ハートとメディックがデートしたカフェだった。
そこでハートはパスタを前にして、嬉しそうにメディックに語っていた。

ハート『食事か…人間というやつはずるいな。いたる所に喜びがある』

パスタを口に入れると、美味しさに対する喜びで、瞬間的にハートの体からうっすら炎があがった。この『美味しい』という喜びを突き詰めることが出来れば、ハート様はきっと超進化できるはず…!

メディック「さっきの死神の様子…あと一歩で完成するはず!」

ハートに超進化してもらうために、そして、離れてしまったハートの心を取り戻すために、メディックはソースの完成に最後の望みをかける。

果たして、シュプレムの店主の飽くなき味覚の追求により、超進化の為のソースは完成する。しかし、からくりを完全に見切った進ノ介達との戦いにより、090のコアは破壊され、シュプレムの店主は逮捕。そして完成品の黄金のソースの瓶は割れ、ソースは全て土に吸収されてしまった。
メディックは割れた瓶を前に絶望の悲鳴を上げる。

メディック「…ハート様に喜びをお届けし、超進化していただきたかった…そのための希望だったのに!これでもう…あの人のお心を取り戻せない!」

敵を前にしながら、無防備にしゃがみこみ、ひたすらなきじゃくるメディック。もう、なにもかもどうでもいい。なにをしてもハートの心は手に入らない。マッハが襲ってきたことにも気がつかない。そんなメディックを、進ノ介がかばった。
なんだか誰かを愛する心があるとかなんとか言ってるけど…なにを言ってるの?何が起きてるの?もうなんだって、どうだっていいのに。
ぼんやり仮面ライダー同士の言い争いを見つめるメディックの視界に突然入って来たのは…愛しいハート様。
ゆっくりメディックの元に歩み寄ってくるハート様。ああ…あれだけ言われたのに、私は実験を続けて、090を初めとするロイミュード達を失ってしまった…こんどは私の番。

メディック「ハート様、今までのことをお許し下さい。どうせ散るのなら、奴らではなく、あなた様の手で…」

覚悟を決めて目を閉じるメディック。ふいに、ふわっと暖かい体に包まれた。…え?ハート様に抱きしめられた?耳元で優しいハート様の声が響く。

ハート「メディック…俺たちロイミュードの数は108と限られている。たとえ人間を支配し、コアを再生産できたとしても、これ以上には増えないんだ…。俺を思ってくれるのは嬉しいが、そのために貴重な仲間を犠牲にする…、そんな君であってほしくない」

許してくれた…気持ちが伝わった!メディックは二度と裏切らないことを誓う。

メディック「ハート様…なんて広いお心…!貴方の意思に背くことは、もう二度といたしません」

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ハートの超進化態の数を揃えたいという願いを純粋に叶えようとする、メディックの気持ち。その少女らしい、誰かを思い遣る気持ちは進ノ介が思わず剛の攻撃を止めさせるのに充分なものでした。
しかし、そこには、彼女がハートに愛されたいからという、ロイミュードらしいエゴイズムもきちんと表現されている。
メディックの行動原理は、あくまでもハート様のために。
その他の誰にかばってもらおうがなんだろうが、知ったことではない。たぶんハートへ向けられた思い遣りは、今後も他の人間やロイミュードへ向けられることはないのでしょう。

そして、進ノ介がメディックに情けをかけたことで、進ノ介のような器の男と戦えるハートの喜びは頂点に達し、超進化へと導くことになってしまいました。
いくら今までの行動が悪辣そのものとは言え、なきじゃくる無抵抗の少女にみえるメディックをかばう進ノ介は、ヒーローとして、警察として間違っているとはいえない。
しかし、その行動がロイミュードの感情を育て、超進化へと導く。うーん、どうしたもんか。
そして、もしハート様がメディックを抱きしめるだけじゃなくて、ちゅーでもしていたら、メディックも超進化してたと思うの。そこんとこ、いまいちハートがにぶちんで助かりましたー!

*ハートと進ノ介

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前回、空中でぶつかり合い、ハートと共に森に落ちた進ノ介。進化態のハートを前に、進ノ介はベルトさんとはぐれて丸腰。

進ノ介「人間を滅ぼすなんて…絶対にさせない!」
ハート「まあ、そう気張るな。お互い怪我人だ。それに俺は、ベルトを持たないお前とやり合うような、無粋はしない」

それでも戦闘体制を崩さない進ノ介をなだめるように、ハートは人間態に変化する。彼は、木々のざわめきを、吹き抜ける風の心地よさをゆったり味わいながら、穏やかにロイミュードの欲求を進ノ介に説明する。

ハート「俺の目的はただ1つだ。創造主である人間を真正面から打ち破り、支配することだけだ」
進ノ介「人間を支配する?滅ぼすんじゃないのか?」
ハート「ああ。滅ぼしたら、俺達の強さを見せつけてやれないだろ?それに、お前みたいに面白い奴も中にはいる」

機会生命体の創造主への反抗。
しかし、創造主を恨んで、この世から一掃したい訳ではない。あくまでもロイミュードが創造主の人間より優れているということをみせつけたいだけ。認めてもらいたいだけ。
それは思春期男子が親から独立しようともがく反抗期にも、ちょっと似ている。

進ノ介「だったら…戦わずに済む方法は無いのか?」

その意外な問いかけに面くらったのか、少し目を泳がせて考えるも、ハートの答えは明快。

ハート「…ないね。俺達は戦い、進化する。人間の歴史と同じじゃないか。いや…違うか。俺は人間を超えるぞ、泊進ノ介」

ハートの「喜び」の原点は、やはり戦いの中にある。人間だって、戦争をくりかえすことで文化を発展させて来た側面がある。戦いなしの進化はあり得ない。

進ノ介「ハート…不思議な奴だ。チェイスもそうだったが…。お前は、前からただの悪党には見えなかった」
ハート「…そりゃあそうさ。こっちは元から悪のつもりはない」

ロイミュードは人間の命を脅かす悪党。
しかし、立ち位置を変えれば、人間はロイミュードを道具としか考えず、反抗すれば、ただでさえ少ない個体をつぎつぎと処分してくる悪党。
お互いが、お互いの正義を信じて戦っている。そのことに気づかされた進ノ介は愕然。

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そして、ハートを思って泣きじゃくるメディックを前にして、進ノ介は思わず彼女がロイミュードであるということを忘れて、剛の攻撃からかばってしまう。

剛「何するんだよ?!」
進ノ介「すまない…つい…」
ベルトさん「どうした?メディックを撃破できれば、敵の復元能力は激減する。これはチャンスなんだぞ?」
進ノ介「分かってる!だけど…ロイミュードにも、誰かを愛する気持ちがある。そう思ったら、せめて正々堂々戦うべきだ。ハートがそうしていたように」
チェイス「そういうことか…」

ハートは、森の中で、丸腰の進ノ介を相手に戦うような卑怯な真似はしなかった。それが、仮面ライダーを潰す最大のチャンスだったにもかかわらず。
それなのに、こちらが機に乗じて無防備な相手を潰しては、人間はロイミュード以下になってしまう。進ノ介の人間の誇りにかけて、それは赦せない。

ベルトさん「君の気持ちは理解できる。だが、ハートやメディックはチェイスとは違う!彼らは…」
ハート「違わないさ。俺たちと人間も違わない」

そこに現れたハートは、進ノ介の行動に感じ入り、メディックを危険な場所から退かせると、深々と頭を下げる。

ハート「お前の戦士としての器量に感謝する、泊進ノ介」
進ノ介「お前がやったことと同じだ…だが…人間を脅かすかぎり、俺はお前達と戦う。そして倒す!」

進ノ介と戦える喜びにハートの喜びの感情は頂点に。

ハート「それでいいのさ!今わかった…1番大事なことが。やはりお前こそが、俺にとって最高の相手だということだ!」

ハートは超進化すると、喜びを
撒き散らすかのように火球を撒き散らす。ライダー達は吹っ飛ばされる。

ハート「約束の数は超進化態が4。俺とブレン、残るはあとふたり…」

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さて、いよいよ最終章での問題提起。前回示されたような「あとはロイミュードを撲滅するだけ」という単純な目標にはなりそうになく。正義と悪は立ち位置によって変わるという、平成ライダーらしいテーマが立ち上がって来ました。さあ、めんどくさい展開きましたよー !
鎧武では、このどっちも正しいし、どっちも間違ってるという、めんどくさい流れを全編に渡ってやって、視聴者に嫌われちゃったとこがあるので、今回はラストにこの問題を集中させた感じ。
ただし、突然この問題が立ち上がってきたのではなく、この流れにいたるひっかかり、もやもやを、全編に渡ってちょっとずつ入れ込んで来ています。今までの気になるセリフをざっと抜き出してみます。

7話
ブレン「人間とは、知れば知るほど醜く、愚かしく、愛おしい存在です。あなたもそう思うでしょう、チェイス?」

11話
進ノ介「いい奴なもんか!悪党だ!だから俺が倒した!」
ハート「人間にとっては悪党でも…俺には友達だったんだよ」

16話
ハート「俺達はもうただの機械じゃない。新たなる種だ」
ベルトさん「やはり、お前やメディックがプロトゼロを悪の戦闘マシンに戻したんだな!」
ハート「その考え方自体が人間の驕りだよ。クリム・スタインベルト」
チェイス「ハートは、俺を人間の道具から開放してくれた。俺は…ロイミュードを守る」

20話
進ノ介「俺は、究ちゃんがいい奴だって知ってる。だから、それをコピーしたあんたも簡単に悪人と結論付けたくない。間違って、いい奴になっちまうロイミュードだっているかもしれないだろ?」

1、2クール目では、ロイミュード達は、自分の欲望を叶える為に他人の迷惑を顧みない、人間の強い負の感情を評価。
そして、立ち位置やコピーした人間の感情の種類によって、ロイミュードに対する評価が逆転してしまうことを、チェイスやその他の進化態ロイミュードを通して、そこかしこで示唆している。

そして3クール目で出てきた、融合進化態。
融合した人間とロイミュードは、同じように悪意を持って、同じように悪事をやらかした。
しかし、進ノ介達は彼らを引き離す方法を開発し、あくまでも人間は殺さず逮捕、ロイミュードは撃破する。この扱いの違いはなんなのか?
どうして悪人でも人間を殺してはいけないのか、この問いに関しては35、36話で答えを出してくれました。しかし、それではまだ答えとしては足りなかった。
正の感情も負の感情も併せ持ち、人間とほぼ同じ心を持つロイミュードを、なぜ破壊するのか?本当に破壊しちゃっていいのか?今度は、この問いを真正面からぶつけてきました。
この難しい問いから逃げなかったドライブスタッフに拍手。残りはたぶんあと10話足らず。進ノ介達がどういう結論を出して行くのか、じっくり拝見させていただきます。


*剛と蛮野博士

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チェイサーとドライブ、クックロイミュードとメディック達が戦う現場に駆けつけた剛を、蛮野博士の声が押しとどめる。

蛮野「待て、剛。今は我々の居所を敵に知られることの方が、デメリットが大きい」

あー、この蛮野博士、剛を孤立させる方向に誘導しようとしてない?なーんか怪しい、怪しいよ。
結局、剛は蛮野の忠告よりも目の前の危機を黙って見ていることに耐えられず、メディックを倒しに飛び出して行く。

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剛「追跡、撲滅、いずれもマッハ!仮面ライダーマッハー!!」

ああ!久々の名乗り!なんか嬉しい!
そして、やはり剛の、なにがなんでもロイミュードを撲滅する考えは変わらない。
黄金のソースが割れて、無防備に泣き崩れるメディックを見て、チャンスとばかりにメディックを倒そうとする。
メディックは見た目は少女のなりをしているけれど、間違いなくロイミュードの重要幹部。いわば危険な虎やライオンのようなもの。抵抗のないうちに破壊してしまおうとする剛の考えは、決して間違いとは言えない。
しかし、28話で剛が人間の犯罪者を殺めるのを止めようとしたように、進ノ介は今回も、剛がメディックを破壊しようとするのを止めた。
ロイミュードをあくまでも機械人形と考える剛と、ロイミュードの中に人間のプラスの感情を見出すと手が止まってしまう進ノ介では、どうしても相容れないところが出る。
これがまた進ノ介と剛の間で妙なしこりにならないといいんだけどなあ…。

進ノ介「でも、誰かがハートの攻撃を一瞬止めてくれなかったら…!」

そして、ハートが超進化態になった時に起きた壮絶な火球攻撃。バリアを張って、この攻撃から進ノ介達を守ったのが、蛮野博士だった。
え?蛮野ってば、タブレットから出入り出来るの?
バリアの正体をいぶかしむ進ノ介達をよそに、いそいそタブレットに戻った蛮野はつぶやく。その口調は、試験管の中の化学反応を楽しむ科学者のよう。

蛮野「結局救ってしまったか…クリムがどう思うかな?」

どうも、蛮野博士が何をしたいのか、剛をどこへひっぱって行く気なのか…いやな予感がしまくり。剛が父として蛮野を慕う気持ちを、おもいっきり裏切ってくれそうで怖い。

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そして、崖から進ノ介達を見下ろす影は…ベルトさんの人間態!腰にはドライブのベルトが巻かれ…ベルトさんがベルトさんを巻いているってどういうことやら。ここから、夏映画とのコラボスタート。本編とどうリンクさせてくれるのか、おまけの1分間ストーリーとともに楽しみです。でもあんまりネタバレはしないでよ?

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