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Channel: 出の目鱈の目魚の目は痛い
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動物戦隊ジュウオウジャー 第27話 偽者セラちゃんの感想

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タスク「昨日より134円も安上がりで済んだぞ!明日の特売が楽しみだな」
セラ「いい主夫になれるよ……」

 本日の買い物当番はセラとタスク。うまーく安売りを利用して、缶コーヒー約1本分を節約できたタスクくんは、今日もうきうき動物戦隊ジュウオウジャー第27話感想。荒川脚本におけるタスクくんのお姑キャラ化が止まらなーい……。

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 さて、今回はクイズ形式に仕立てたシリーズ前半の総集編。昨年のニンニンジャーのパターンを踏襲しています。夏映画を見て興味を持ってくれた途中参戦層に向けて、いままでの基本設定を振り返ってくれるのは大変親切。
 しかし、派手な宴会用衣装に、やたらテンションが高く振れ幅の大きい芝居、テロップの多用……と、なんか児童用TV雑誌付録オリジナルDVDっぽい作りだなーと思っていたら、それもそのはず、数々の平成ライダーシリーズでチーフADを務めていらっしゃった杉原輝昭監督TV編デビュー作。この人、今度発売されるジュウオウジャーブルーレイシリーズのおまけドラマ「スーパー動物大戦」の監督を担当なさるそうで。なるほど!
 昨年の例に倣い、ただの総集編にとどまることなく、ちゃんとストーリー仕立てになっています。昨年は天晴まさかのウルト○マン化という、番外編らしいトンデモサプライズが用意されていましたが、今年はとても苦いラストが用意されていました。やっぱり番外編とはいえ、全体の作風を反映するのね。


*デスガリアン

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アザルド「あのバングレイって奴が現れてから様子がへんだぞ?」
クバル「さあ?なんのことだか」
アザルド「オーナーもブラッドゲームを再開しようとしねえし、何がどうなってんだ!」

 いくら鈍いアザルドでも、バングレイが現れてからデスガリアン内の空気が一変したことを感じ取っている。ナリアは、デスガリアンの傘下に下ることを拒んだバングレイの動きを事細かにマークしているし、ジニスはブラッドゲームより、バングレイの動きに興味を奪われている様子。そして冷静だったはずのクバルも、いつになくイライラ。何か他のことに気をとられているのか、ブラッドゲームが再開されないことに対して、異議をとなえることもない。
 苛立つアザルドに向かって、クバルは意味深な言葉を放つ。

クバル「変なのは、あなたかもしれませんよ?」

 もしかして、異分子なのはアザルドのほうなのか。アザルド自身も知らない何かを知っているふうなクバルの口調に、アザルドは戸惑いを隠せない。


*クイズ・世界の果てまで行ってQさま(ちょっと違う)

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バングレイ「さーて、どっちが本物かな?」


風切大和の存在に苛立ちを隠せないバングレイさんは、イタリアンレストランを襲って、昼間からお酒をぐびぐび。またしても大和を苦しめるべく、悪辣な作戦を思いつく。買い物帰りのセラとタスクを襲い、それぞれの記憶から本人そのものを実体化。
 さすがに本人の記憶から取り出しただけあって、見た目も性格も本物と寸分違わないように見える。偽者にも本物にも、爆破装置が取り付けられ、30分以内に偽者を見分けて斃さないと、爆発する仕掛け。
 試しに本能覚醒(変身)させてみても、全員クリア。さて、困った。

大和「こうなったらあれしかない」

 悪辣な笑いを浮かべる大和。唐突にレオと大和は、うさんくさいキンキラ衣装にお着替え完了。アムちゃんのアシスタント風味なベストにタイトスカート、PTAメガネに地味に萌える。

大和「さあ、ついに始まりましたー!クイズ・ヒントで連想アタックショック面白ダービーリーグ総本家発見選手権さま~っ!!」

 NHK、TBS、TV朝日、……各TV局の枠を超えた壮大なタイトルに驚かざるを得ない。つーか、脚本の荒川さん、小さい頃から見ていたクイズ番組、全部ぶちこみましたね。私はNHKの連想ゲーム、好きでしたねー。こんにちは、大和田獏です。
 そんなことはさておき、皆と共有している記憶がどれだけあるかクイズ形式で試すことで、本物と偽者を見分ける作戦スタート。

レオ・アム・大和「まずは俺たちの出会いの頃にーー?行って~獣さま!!」

 ここからクイズと言う名の総集編スタート。

・真理夫さんが出してくれたはじめての食事は?→納豆
・ヤバイカーに操られた時の言葉は?→パラリラパラリラ


 ここまでは本物も偽者も皆正解。レオが試しに納豆を取り出しても、ふたりのタスクは匂いにぶっ倒れるし、ふたりのセラもお互いを挑発し合って、つかみ合いの喧嘩。見分けがつかない。

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 そこへ今日も元気に『そうめん くもの糸』を持った操が意気揚々と登場。普段は割と手土産を忘れない男、それが門藤操。いいやつだ。せめてお邪魔しますくらいは言ってくれれば、もっといいやつなんだが。
 操は、それぞれふたりに増えているセラとタスクを見てびっくり。大和達は困ったようにひそひそぼそぼそ。

レオ「めんどくせえの来たー」
大和「最初から説明する?」
アム「時間ないのに?」

 というわけで、操くん、クイズ出題者として途中参戦。よかったねえ。

・操が皆とオープンカフェで食べたものは?→パフェ

 果たして無事に皆正解。よかったねえ。

操「あんなささいな日常を皆記憶してくれてるなんて……うれしいよー!」

 操君、感激のあまりセラやタスクに抱きつきまくり。こいつは浮いても沈んでも面倒な男だのう。そしてクイズの方も、皆正解してしまうので差がつかない。困った大和達は、ここでいきなりクイズの難易度を上げる。

・ハナヤイダーが鉄塔を抜いた手は?→左手

 ここで初めて答えが割れ、点差が生じた。
 そこを見透かしたようにやってきた最終逆転早押し問題、アタックチャーンス!
 最後の逆転のチャンスに、不正解を出した方のタスクはぶつぶつとつぶやく。

タスク「勝つしかない。こんどこそ、なんとしても勝つしかない……」

焦る不正解組に対して、正解組は余裕。

セラ「それはありえないけどねー」
タスク「そうそう」

 アムが、本物ならすぐにわかるとプレッシャーをかけつつ、超サービス問題という名のひっかけ問題を出題。

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・昨日アムと約束をした内容は?→そんなの嘘。やくそくなんかしていない

 不正解組がそんな約束したかなーと悩む間に、正解組は意気揚々と即答。不正解組はじりじりと皆に追い詰められる。セラちゃん、今にも泣きそう。かわええ。

タスク「セラ、逃げるぞ!」
セラ「ん」

 まあ!セラちゃんが咄嗟にタスクの伸ばした手をとって、ふたりで逃げるところにきゅーんと。タスクの凛々しい顔と、泣き出しそうなセラちゃんの顔がいいんだ、これが。青春だねぇ。
 とりあえず、逃げ出したふたりは公園で一休み。大和達に狩られる対象になってしまったことに酷いショックを受けたセラは泣く。

タスク「みんな、本気で僕達を斃すつもりなんだろうか……?」
セラ「そんな!今まで喧嘩もしてきたけど、楽しくやってきたのに……」

 ふたりはギフトとの戦いを思い出す。あの時、ジューランドに帰ろうと思えば帰れたのかもしれない。でもタスク達はニンゲンを、大和を放っておけなくて、こちらに留まる道を選んだ。

セラ「ギフトとの戦いのなかで、私たちは『王者の資格』を取り返すのを先送りにして、大和のもとにかけつけたよね」

 鳥男との戦いのさなかに、鳥男の手から離れた『王者の資格』。いくら切羽詰まっていたからといって、タスクたちは、目の前に転がったそれを拾ってから大和の元に駆けつけることだって出来た……と思う。なのに、あえてその場で手に入れなかったのは、彼らなりの決意表明だったのかもしれない。
 が、正解組のセラとタスク、大和達が追いついてきた。
 正解組のセラは不正解組のセラに、かさにかかった態度で、ギフトと戦うと決めた時のレオの言葉がなんだったかを問いかける。
 しかし、不正解組のセラは、目に一杯の涙をためながら頭を下げることしかできない。
 仲間の大切な言葉を思い出すことすらできない、薄情な私。もしかしたら、本当は私が偽者なのかもしれない。

セラ「ごめん!やっぱりどうしても思い出せない。あの時……私たちは皆で支え合っているんだなっておもった熱い気持ちは憶えているんだけど……それしか思い出せない」

 だが、それを見て、大和達は正解組のセラとタスクが偽者であると断じた。皆が覚えていないような細かいことまで覚えている。それこそが、ふたりが記憶から生み出された存在であるのを証明することにほかならない。

操「記憶から生み出された存在だから記憶力がいいのは当然だ。だが、それに溺れたんだな」

 そして決定的な違和感が生じたのは、正解組のふたりがアムの出した引っ掛け問題に動じなかったこと。

大和「仲間が自信満々で約束したっていったら、まずその仲間を信じようとする。自分が忘れてるんじゃないかとまず思う」

 大切なのは正確な記憶ではなく、仲間を思う気持ち。正解組にはそれが欠けていた。
 正解組のセラとタスクは開き直ると、覚悟を決めたように大和達に手を拡げてみせた。

タスク「はははは!そうだ、僕達が偽者だ。はやく倒せよ!」
セラ「そうよ、偽者ってわかったんだから、思う存分どうぞ」

 これこそがバングレイの狙いだった。偽者と分かったあと、彼らふたりを大和達はどうするのか。バングレイが大和の記憶から生み出した母を斬り殺したように、大和たちも爆発を止めるために自らの手で、記憶から生まれたセラとタスクを殺さざるを得ないだろう。その葛藤と苦しみを想像して、バングレイは笑う。

バングレイ「いくらつながりが大事とか言ってようが、自分が助かるためなら、仲間と同じ姿のやつでも殺すしかねえんだよ」

 バングレイは、おきれいないい子ちゃんの大和の化けの皮をひっペがしたくてしょうがない。なんだろうなあ、バングレイは大和の絶望に打ちひしがれる姿をよっぽど見たいんだろうなあ。それはもう恋に近い感情のような気もするが、指摘はすまい。が、大和達はバングレイの思い通りにはならなかった。

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大和「いや、俺たちは斃さない!今まで時間をかけてクイズをやってきたのは、偽者の君たちも倒さずに、爆発から救う方法を考えるためだ」
アム「記憶から生み出された偽者でも、タスク君とセラちゃんを斃すなんて……」

 なんと!時間もないのに回りくどくクイズをやっていたのには、そんな理由が!
 制限時間を知らせるアラームが鳴り響く中、皆で頭を突き合わせて、あーでもないこーでもないと話し合う……や、ちょっと待て!君たち、クイズを思わず楽しんじゃって、今の今までなにも考えてなかったよね? 夏休みの宿題をまるでやってこなかった子みたいに、今慌てて話し始めたよね? トウサイジュウオウキングを生み出した時にもうっすら思ってたけど、大和達は割といきあたりばったりのとこがあると思うの。
 偽者のタスク達は思わず叫ぶ。

タスク「もう時間がない!早く俺たちを斃さないと爆発するぞ!」
セラ「なんなのあんたたち……ばかなの?」
大和「絶対に何かある!何か……方法が!」
 
大和は頑として首をたてにふらない。しまいには本物組のセラやタスクも爆弾をつけたまま輪に加わって、わあわあ話し合い。
 もう!本当にばかじゃないの?このままじゃ、偽者も本物も大和たちも、皆爆発してあの世行き! それでも、たとえ偽者といえど、母を目の前で失った痛みを知っている大和達、仲間に追われる寂しさ、怖さ、痛みを知ったタスクとセラは諦めない。同じ思いを皆に二度とさせない! 皆助ける、皆助かる!

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 その様子をみていた偽者セラとタスクの目から、涙が溢れだした。そして、ふたりは頷き合う。彼らを死なせるわけには、いかない。

 かしゃんと金属音がなって、鳴り響いていたアラームが唐突に途絶えた。大和たちが偽者のセラとタスクの方に目を遣ると、ふたりは光の粒になって消えて行くところだった。

セラ「私も……ほんものがよかったな……」

 偽者のセラがぽつりとつぶやいた。
 本物のセラが駆け寄るも、その手は虚しく空を掴む。偽者のセラとタスクは、この世から完全に消え去った。
 本物の記憶から生まれた偽者は、本物と記憶を完璧に共有している。辛かったことも、嬉しかったことも。このまま皆と一緒にいたかった。記憶でしか知らない彼らとの生活。これから実際の生活を積み重ねて、本物の嬉しい、楽しい気持ちをもっともっと感じてみたかった。

レオ「俺たちに斃されるために生みだされて、じぶんから消えてったのか……」
タスク「偽者にだって気持ちはあったんだ……それなのに……」

 セラやタスクと同じ長さを生きてきた記憶を持ちながら、偽者達がこの世に実際にいられたのは、たったの30分。それはまるで、夏の終りの蝉のようで。
 大和をいたぶるためだけに記憶をもてあそぶバングレイに、ジュウオウジャーたちは怒りを新たにした。

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 うう、最初は笑って観ていたはずなのに、最後が辛い、あまりにも辛いorz。くう、荒川稔久めぇ!やってくれたのう!
 勢い余って、偽者セラちゃん視点から27話を全部トレースするところだったが、危うく思いとどまりました。やったら1万字確実に越すね。それくらい偽者セラちゃんの存在は、危うくて儚くて切ない。

 偽者のセラとタスクは、最初からちょっとだけ本物のふたりよりいじわる。
 もちろん、こっちが偽者とこどもにわかりやすくする演出上の意図もありますが、ジュウオウジャー達を苦しめるためだけにバングレイに引っ張りだされたのもあって、あんなツンツンした感じになっちゃってるんだろうな。
 生まれた時から、ジュウオウジャーを苦しめるために殺されることだけが存在意義って……ねえ?ジュウオウジャーさえいなければ、こんな酷い仮初の生を受けることだってなかったわけですから。

 今までの再生怪人は、ジュウオウジャー達の記憶から引っ張りだされたものなので、彼らを襲う1面的な感情しか存在しません。この前実体化した大和の母ですらも、幼い大和の記憶から引っ張りだされたものなので、彼女を構成する感情は大和にみせていた慈愛に満ちた優しい面ばかり。普通のニンゲンなら持ちそうなネガティブな感情は一切存在しないのです。
 だから消えても、たぶん再生怪人達や大和の母親自身は、それほど死の恐怖や痛みを感じていない。
 しかし、今回のセラとタスクは、本人から引っ張り出されたもの。幼いころからの家族の記憶などはもちろん、他人の知らないネガティブな記憶も、すべて共有している。同い年のセラ、タスクとほぼ同じ人生の記憶がある。それなのに実世界に存在した途端、バングレイから30分後の死の宣告をされるって。普通のニンゲンと同じくらい死への恐怖を抱いたはず。
 記憶から実体化された怪人やセラたちとって、バングレイは自分を生み出した絶対神のような存在ではあるんだろうな。だから偽者達はバングレイには逆らおうとは思わない。
 しかし、本編での描写はぼかされていますが、最後に偽者のセラとタスクが消えるために、お互いを刺し違えるようなことをしなければならなかったはず。バングレイの命令には背けない、ジュウオウジャーたちには死んで欲しくない。悩んだ末の、どっちの願いも叶えるための自殺。……これは辛い。
 消えていくセラの気持ちに入り込み過ぎて、頭が痛くなってしまいました……orz。

 最後に大粒の涙を流す、ジューマン態のセラの瞳が本当にきれいで。表情のない作り物のお面のはずなんだけどなー。毎度東映ヒーローのスーツアクターさんの演技、マスクの造形には驚かされます。ないはずの表情がちゃんとみえてくるんだもの。ホント不思議。

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そして次回は待ってました!ついにあの海賊達が帰って参ります!あ、マベちゃん、髪の毛が少しすっきりしてるぅ。


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