有明「わらわの潤いのときをじゃましおって!この忍風情が!」
ニンニンジャーとヌリカベ達の戦いの場に、ジュッカラゲ達にかしずかれて、さっそうと現れた有明の方。さながらマドンナのマテリアルガールのPVのよう。とことん、遅れてきたバブル時代のギャルだなぁ。
霞「あなたは牙鬼の…」
天晴「カリアゲの方だ!」
有明「そう、くびがすーすー…って、誰がカリアゲじゃ!わらわこそ、戦場に輝きし美魔女、ありあけのぉーかたぁー!!」
ノリツッコミも軽快に、自らミラーボールを出して名乗る我らが女王様の姿に、紙吹雪や色とりどりの紙テープ、大歓声で応えるジュッカラゲ達。なんか皆楽しそう。戦国熟女アイドル降臨。手裏剣戦隊ニンニンジャー第22話感想。
おお!もしかして有明の方、意外と大衆受けするタイプ?まあ、ゴツくて怖そうな幻月よりも、とうがたったとはいえ(失礼!)、可愛いみかけの有明の方が、皆も嬉しかろうて。こう…石野真子をみると未だときめいちゃうような気持ち? (ちょっと違?)
今回は驚異の超合体にて、シュリケンジンとバイソンキングとライオンハオーが合体したでござるの巻。ええっとハオーシュリケンジンの構造イメージ図はこんな感じかしら。↓
胸にシュリケンジンがどしっと座って、キャタピラで進む姿は山のごとし。道幅いっぱいに、ごごごごと迫ってくるシュリケンジンハオーに追い詰められるヌリカベが、ちょっと気の毒。逃げ場ないじゃん、これ。勝てる気がしない。
鉄之助『前略 ライオンハオーは元気でやってるのだろうか?あんな性格のオトモ忍だ。何かと問題はあるだろうが、伊賀崎のみんなと上手くやっていることを願う…』
さて、雑賀鉄之助君が、いつもうちの獅子王がご迷惑かけてすみませんとばかりに、夏の元気なご挨拶。お中元として、新しい全部合体用のニンシュリケンを贈ってくれました。とおっても嬉しいプレゼントなんだけどぉー…。
凪「おそうめんとか、水羊羹とか、あと…」
凪・旋風「ハム!」
お中元に食べ物の期待を抱いていた旋風父さん、箱をバラして他になにか入ってないか、確認して
ちょっとだけ遠い目。
旋風「ハム…」
お父さん、そうよねぇ、うまくすりゃ食費ちょっとだけ浮くもんねえ。天晴という大食漢を抱えた道場の会計は大変だと思う。
しかし、早速ニンシュリケンを回してみても、ライオンハオーの頭がぐるぐる回るだけで、何も起きない。
凪「あれ?これで終わり?合体しないの?」
いろいろ原因を考えてみるが、イマイチよくわからない。
八雲「…ということは、原因はライオンハオーだな」
キンジ「きまぐれなオトモ忍でございやすからね」
好天「それはどうかな?合体が成功しないのは、八雲、キンジ、お前たちふたりが原因じゃ。天晴のようにライオンハオーを使いこなしてみよ。ま、できればの話じゃがな?では諸君、ちゃおー!」
原因はひねた獅子王の性格故であると片付けようとした欧米コンビ、キンジと八雲。
どこからともなく現れた好天じいちゃんに、人の性格のせいにしてる暇があったら、そいつと折り合いをつけることを考えろよ、と遠回しに言われて2人ともムっ!
キンジ「天晴坊ちゃんにできてあっしらに使えないと決めつけられるのは、納得しかねやすね」
そんなわけで、試しに2人でライオンハオーを使ってみるが、いくらシュリケンをまわしても、中の獅子王は全く取り合わない。
まじめにやれよと怒る八雲に対して、ライオンハオーはぶーたれる。
ライオンハオー「なんかさ、お前ら面白くないんだよ」
八雲「おい、待て!」
ライオンハオー「やっだねー!俺はこっちのお嬢ちゃんの方がいいぜー!」
ぐうるるーんと、すけべ心全開で霞ちゃんにむかって獅子のシュリケンまっしぐら。
霞「私はご遠慮します!」
が、霞姉には思いっきりはたかれ、凪にぶつかってそのまま風花ちゃんの元へ!
風花ちゃんの腕にとりつくと生身のまま超絶変身!
風花「…なにこれ ?」
風花ちゃんぼーぜん。
スクウェアな鎧のごつさが、風花ちゃんのちっこい感じを際立たせ、オシャレ帽子のように、頭にちょこんと斜めに乗せられたマスク部分がとてもキュート!
風花ちゃんってば、ヒロイン!
でもこれって、獅子王に身体ごと抱きしめられてる感じかしら…。あまり…嬉しくないわな。
八雲「こっちは真剣にやっていんだ、ふざけんな!」
ライオンハオー「つまり、ふざけてやってる俺の方が、おまえらなんかより強いってことだな?」
獅子王にからかわれたと気づいて、八雲もキンジもムカっ!
とにもかくにも、ライオンハオーの気分次第で、誰でも超絶変身できることを目の当たりにしたキンジと八雲、シュリケンが着けられている風花ちゃんの手首を取り合って、自分が先に変身するんだと大げんか。
はたからみると、1人の女の子との交際をめぐって、2人のイケメンが争っているようにしか見えない。おお!風花ちゃんってばヒロイン!あまり…嬉しくないわな。
一方、牙鬼側。案の定、有明の方に、手を焼くことに。
小じわが気になるお年頃の有明の方は、九衛門が折角集めた恐れの力を、化粧水としてじゃぶじゃぶと。もう瓢箪が空ですがなorzしかし、恐れの力で小じわが消えるのか…欲しい…欲しいわ!
有明「晦!美しさを保たねば、復活された親方様に顔向けできないではないか?…そこの狐!」
九衛門「きつね!?」
有明「手段は選ばぬ。これまでより10倍多い恐れの力を集めるのじゃ!」
言いたいことを言い散らかすと、しゃなりしゃなりと退場。
晦「…互いに苦労しそうじゃのう、九衛門」
2人ともげっそり。晦は、なんてもんを復活させてくれたのやら、と九衛門への皮肉をちくり。
しかし、九衛門君、めげない。踏切遮断機を使って妖怪ヌリカベを作り出す。
九衛門「あのヌリカベは人生の壁を作り出し、人々に絶望を与える妖怪でございまする」
有明「なるほど、絶望が最高の恐れをうみだすのじゃな」
九衛門「これならば、大量の恐れの力を集めた上で、ご家老様のご所望の遊びも含まれております」
有明「よいぞよいぞ狐!よいぞ!っあ、よいぞ♪」
晦と有明の方、両方の希望を取り入れた九衛門の作戦を、扇ダンスでもって褒める有明の方。あ、九衛門君、ちょっと鼻高々になってる。珍しい。やっぱり褒められれば、ちょっと嬉しいよね。奥方は褒め上手。
そして街の人々の前に次々と立ちはだかる、物理的に越えられない『人生の壁』。
受験生の前に大きな白い壁が地中から空へ向かって突き上げる。でかでかと書かれた『偏差値40アップ』の文字に、受験生絶望。
そして、公園でプロポーズをしていた、ペアルックのカップル。女性側がプロポーズを承諾した途端に次々に立ちはだかる『人生の壁』がシビア過ぎる。
『親の反対』『住宅ローン』『貯金ゼロ』『低収入』…よいこの皆が結婚恐怖症になりますがなorz。
「これが現実の壁なのね…」
と、愕然とする2人の間にとどめの壁がどどどどど。
その壁に書かれた文字は『浮気性』!
や、始めの4枚の壁はなんとかなりそうだが、最後の壁はいかんだろう…結婚見直したほうがよさそう…。
そしてキンジと八雲の周りにも『人生の壁』が立ちはだかる。
キンジ「天晴坊ちゃんが…あっしらの壁でございやすか? 」
どどーんと四方を囲む壁に書かれた文字は『天晴』。
2人はあの手この手で、壁を乗り越えようとするが、天晴の文字が変幻自在に飛び出してきて、はたき落とされ続ける。でも、めげない。
八雲「必ず乗り越える!たか兄のためならなおさらだ!」
おお!天晴を追い越すことが天晴のためになる…、やっぱり八雲は全体の中での己の立ち位置を、割と考えてる。天晴と真剣に切磋琢磨することで、お互いが強くなっていく。自分が諦めてしまっては、天晴もそこ止まり。天晴もためにも、乗り越えることを諦めちゃいけない…そんなことを八雲は考えていたのか…。このこはホントに苦労忍じゃのう。
キンジ「さすが天晴坊ちゃん…いや、人生の壁…手強いでございやす」
さすがにメンタルの弱いキンジの方が弱気になってきた時、八雲の腕についたままだったライオンハオーが唐突にしゃべりかけた。
ライオンハオー「忍びの目の前に、壁ができたって?へー!かっこいい!」
いきなりダジャレをしゃべりはじめたライオンハオーに、八雲は激怒。しかしライオンハオーはさらに挑発。
ライオンハオー「おかたいやつらだ。やっぱ天晴に比べたらおまえらつまんねえよ!」
八雲「それほどたか兄がよければ、後でとことん付き合ってもらうんだな!」
ライオンハオー「そいつは、俺を使いこなすのは諦めたってことか?」
すっかり拗ねてしまった2人はむうっとしたまま答えない。
ライオンハオー「ま、それならそれでいいけどな。お前らは頭の回転こそ速いが、超カチンカチンに堅いな?」
ここで、さりげなく2人をアゲる言葉をまじえつつ、問題点をさらっと指摘するライオンハオーさんが、結構有能。
初登場の時もそうだったけど、かならず人の欠点を指摘する時は、その人の長所もセットで言って、とことん落としたりしないんですよね。そこから本人達に答えを導かせるあたり、意外とこの精霊、優秀な師匠…かもしれない。
この言葉にハッとした八雲とキンジ。
今まで壁を文字通り乗り越えようと、上へ上へと向かっていた。
この『天晴』と書かれただけの壁を乗り越えたって、実際の天晴を乗り越える訳ではないのに、ムキになっていた。2人は目の前に立ちはだかる壁を『人生の壁』ではなく、ただの壁として捉え、突破口を見出す。
八雲「硬い壁なら柔らかくすればいい。
高い壁ならくぐればいい。
壁を乗り越えるのはやめた。
要は突破すればいいんだ!」
おお!本当の人生の壁にも応用できそうな、いい悟りのセリフ。
八雲は壁に覆われていない地面を泥のように柔らかくし、キンジがそれを風で吹き飛ばして、壁下の
地面を掘っていく。
ヌリカベ「トンチをやってるんじゃねえでごわす。ふざけるんじゃねえでごわすよ!」
キンジ「つまり、ふざけているあっしらの方が、おめえさんなんかより強いってわけでございますよ」
ライオンハオーが八雲に言ったセリフをそのまま目の前の敵に。これにはライオンハオーもニヤリ。
ライオンハオー「っへへ!言うじゃねえか!面白くなってきやがったな、おまえら?」
果たして壁を突破すると、外はちょうど有明の方たちと天晴達が戦っている真っ最中。おお、有明の方の扇は飾りではなく、かなり強力な武器。舞うように戦う有明、かなり強い。天晴がおいつめられたところに、キンジと八雲とヌリカベが地中から飛び出してきて、有明は興を削がれる。
有明「くっ…!これではまた…小じわがー!ほうれい線がー!いまいましい忍びどもめ!…かえる。あとはたのむぞ(はあと)」
チャーミングにしゃなりしゃなりとお供を連れて帰る有明の方。アイドルがいなくなって皆ちょっとがっかり。牙鬼側は彼女の可愛さに翻弄されてるな…。
そして、頭を柔らかくして考えて、壁を突破した八雲とキンジに、ライオンハオーは合格点を。
ライオンハオー「気に入ったぜ、おまえら!さあ!俺を使え!」
だが、あっさり八雲はライオンハオーのシュリケンを天晴に返す。
え?そうなの?と天晴もハオーもびっくり。
八雲「今はまだ、たか兄に託してやる。俺たちはちゃんと、たか兄を乗り越えた時に使う」
キンジ「今日のところは、天晴坊ちゃんがかわいがってくださいやし」
ライオンハオー「なんだよ!?俺はペットか?」
今回ヌリカベのおかげで、はっきり当面の人生の目標を自覚した八雲とキンジ。たとえハオーが合格点を出しても、まだ自分自身は合格点を出せない。2人とも生真面目だなぁ。
しかし、頭はやわらかく。
巨大戦で、冒頭で合体できなかったシュリケンを使えと促すキンジと八雲。同じようにライオンハオーの頭がぐるぐる回りだしたところで、ライオンハオーの身体をバイソンキングとシュリケンジンがぐるーんと回転!
バイソンキングがばらけてハオーのパーツになって、背部にぽっかり空いていた穴の中にシュリケンジンがすっぽり収まった!
ハオーシュリケンジン!どーん!
ライオンハオー「やるなあ、おまえら!頭もいい具合にとろけてきたじゃねえか!これならオトモなれどもあばれるぜ!」
私も巨大ロボ風タンクの上に、巨大ロボが乗ってガチャガチャ操縦するって絵面に、頭がとろけそうです…。
なにはともあれ、無事に撃破。
霞「お二人ともハオーシュリケンジンを扱えたのですから、ライオンハオーさんを使いこなしたといえるんじゃないですか?」
一応、おじいさまの出した宿題は及第点ではないかと霞ちゃんが気遣うも、ふたりはストイックに上をめざす。壁の中で、どんなに天晴の壁に打ちのめされても、乗り越えることを目指したように。
八雲「いや、まだまだだ。な?キンジ」
キンジ「そうでございやすね天晴坊ちゃんにはかならずおいつきやすよ」
天晴「おう、望むところだ!」
ところで、好天から2人に出された課題は、あくまでもライオンハオーを使いこなすこと。別に2人が仲良くしろという課題ではなかった訳ですが、今回は2人の関係に変化が生じました。
この欧米コンビ、最初は仲が悪くて、キンジが押しかけお手伝いさんをやってたころは、イヤミの応酬で大変だったもんです。
でも、どちらかというと八雲のイギリス人(?)としてのプライドが、アメリカの田舎育ちのキンジを拒絶しているようにみえました。
凪「今気づいた…やっくんって相変わらずスターって呼ぶんだ…」
天晴「…ほんとだ」
キンジが弟子入りしたあとも、八雲のキンジに対する壁は取っ払われない。
しかし、共に戦ってヌリカベを突破し、共通の目標をお互いに確認したことで、八雲のキンジに対する壁が低くなりました。呼び名の変化で、真っ先にそこに気がついたのが凪。やっぱりこの末っ子は、家族関係を無意識によく観察している。
凪「ていうかやっくん、今、キンさんのことをキンジって呼んだよね?」
八雲「え?そうだったか?」
霞「新たな欧米コンビの第一歩です」
キンジ「頑張りやしょう!ヤッキー!」
キンジも、八雲との距離が縮まったのを喜んで、親しみを込めてあだ名呼び。
八雲はいやがって逃げてたけど、この二人、ライバルとして1番仲良しになりそうです。