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動物戦隊ジュウオウジャー 第30~31話 キューブホエールが仲間入り!な感想

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操「バングレイは俺が……かかった!」

 ジュウオウホエールらしき巨大な水柱を目撃したセラ、バングレイ、大和は、ホエールを探しに海に飛び込む。
陸からの援護はオレに任せろとばかりに、操君、果敢にバングレイを一本釣りーー!?や、無理だって、逆に身体もってかれるよとハラハラしてたら、ざっぱーんと水しぶきをあげて釣れたーーーー!!

……セラちゃんが。

セラ「なんなのあんた!ふざけてんの!?」

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 とれたてぴっちぴちなセラちゃんが活きがよくてとっても新鮮、動物戦隊ジュウオウジャー第30、31話、いまさら感想です。ちょいといろいろあって、2周回遅れ。あう。来週までには追いつきたい。

 海から豪快に釣り上げられるセラちゃんをみて、真っ先に思い出してしまったのがこのCM 。↓

※上手く再生できないときはコチラから

https://youtu.be/Is3EU0NWskg
(『銀のさら』公式CM サメ編)
 このCMの寿司屋さんのごとく、ジュウオウホエールと戦うセラちゃんがちょっと見たかった。残念。

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 ジューランドの始祖、ケタスさんの遺したキューブホエールが、じっくり2話かけてジュウオウジャーに懐いたでござるの巻。また、いつもぐちゅぐちゅ煮え切らない操に、割とバッサリな態度で接して来たセラですが、意外なところできちんと操を評価していたことが明らかになります。


 *ジュウオウホエールとケタスさん

 さて、せっかく手に入れた『大王者の資格』。さっそくケタスさんの映像にあったジュウオウホエールを呼び出してみようとするも、うんともすんとも応えてくれない。どうすればよいのか。大和達は途方にくれてしまう。
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アム「出てこないならそれでいいんじゃない?バングレイに捕まる心配もないし」
タスク「でも、もしキューブコウモリ達のように何処かにかくれているとしたら……」
セラ「バングレイに見つかっちゃうかもしれない」
レオ「やべえじゃねえか!俺らが先にみつけねえと!」

 謎の巨大水柱があがったとニュースで報じられていた、潮髭海岸が怪しいと睨んだ大和達は、さっそく調査に向かうが、そこには同じく情報を聞きつけたバングレイが、待ち構えていた。
大和達はバングレイと交戦状態に。その中で大和がジュウオウホエールに変身すると、それに呼応するかのように、沖の方で巨大な水柱が上がった。
 水柱を目指して、海に飛び込む大和とバングレイ。水中に大きな影がゆらりと動いた。ぎろりと大きな目がふたりをみるやいなや、凄まじい衝撃が。バングレイも大和も、それぞれ海中から弾き飛ばされてしまった。

タスク「バングレイがキューブホエールにやられたのはわかる。でもどうして大和まで……?」
アム「『大王者の資格』持ってたのに、仲間だと思ってもらえなかったんだ……」
大和「いったいどうやってキューブホエールを保護したらいいんだろう?」

 同じ海洋生物のキューブシャークならば、仲間だと思ってもらえるのではないかと、今度はセラと操が海中に入る。が、一筋縄ではいかないと踏んだクバルが今度は海中に毒を撒いて、キューブホエールを炙り出そうとする。

バングレイ『お前がその気なら、ジニスをぶっ倒すのを手伝ってやってもいいぜ?オマエは俺の捜し物をちょろっと手伝ってくれりゃいいからよ』

バングレイに、デスガリアンに自分の星を破壊された記憶を覗かれて、一度はバングレイを倒そうと試みていたクバル。やはり、彼らは影で結託していた。バングレイの船で海中に毒を撒きながら、クバルは密かに毒づいた。

クバル「やっかいな男だ……嫌なところをついてくる」

セラや操も毒にやられ、このままでは周りの海中生物が全て死んでしまう。
 しかし、キューブホエールは毒を自身の身体に取り込んで、潮を吹き上げて浄化した。大きな赤い鯨が、よく晴れた海面にぽっかり浮かび上がり、豪快に吹き上げた潮の柱に美しい虹がかかる。

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大和「あれが……キューブホエール」
バングレイ「ばりきれい……」
タスク「まさか毒を浄化してくれたのか?」
セラ「……きれい……」

 あまりの美しさに、皆しばし時を忘れて、その姿に見惚れた。

バングレイ「いいじゃん!ばりばり面白いじゃん!こりゃ予想以上の大物だぜ!!」

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 バングレイはいち早く我に返ると、姿を現したホエールに攻撃を仕掛ける。キューブホエールは、ミサイルを打ち込んでもビクともしない。

バングレイ「へへ、そうでなくっちゃな!覚悟しやがれ」

 手に持った錨をなげこもうとするバングレイを、大和は止めようとする。が、突然空に大量のデスガリアンの小型挺が現れ、一斉にキューブホエールに攻撃し始めた。

ナリア「あなたの獲物はいただきます。ジニス様に捧げるために……!」

 バングレイの前に現れたナリアがキューブホエールに発信機を撃ち込んだ。ジュウオウホエールの力は圧倒的。巨体がふわりと空に浮かび上がると、デスガリアンの小型挺を全て薙ぎ払った。それだけでなく、ジュウオウワイルドスペシャルまで無差別に攻撃。バングレイや大和まで、その場で戦っている者たちに全て攻撃を加えて倒すと、ジュウオウホエールは悠然と空を泳いで、何処かに逃げていく。

大和「キューブホエール……どうして……」

 なぜ、キューブホエールは全てを拒むのか。
 大和は夜を徹して、キューブイーグルでホエールの行方を探すも見つからない。夜が明け、山奥の湖にひっそり浮かんでいるホエールをやっと見つけるが、大和の姿をみるやいなや、完全シャットアウト。
 潜るには水深が足りないのか、四角く縮こまって自身で滝の壁をつくるキューブホエール。なんだか体育座り状態のみっちゃんみたいと思わなくもないが、大和は真剣に話しかける。

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大和「教えてください、あなたは最初のジュウオウジャー、ケタスさんと一緒に、この星を護ってくれました。そのあなたがどうして、俺たちまで拒絶するんですか?」

 キューブホエールは応えてくれない。大和はため息をつく。

大和「ケタスさんはどうやって仲良くなったんだろう?」

 大和は『大王者の資格』を得るときにみせられた、ケタスさんの映像の内容を思い出してみた。

大和「……違う」

 大和は気がついた。そうだ……『大王者の資格』が生まれた時、同時にキューブホエールも生まれていた。

大和「そっか……、生まれたときから相棒だったもんな」

 きっとホエールにとって、ケタスは相棒というより、お父さんに近い存在。

大和「大好きだったんですね。ケタスさんのこと」

 やはりキューブホエールは応えてくれない。しかし、大和にはホエールの気持ちがやっとわかった気がする。

 たぶんケタスさんがこの世から居なくなってから、ホエールはひっそり海の奥深く隠れていた。
久々に『大王者の資格』の気配を感じて、水面に出てきてみれば、そこには知らない人ばかり。皆ホエールを手に入れようと、毒を盛ったり、ミサイルで攻撃してきたり。怖い顔して、皆でわあわあ争ってる。怖いよう。ケタスさんはどこなの?寂しいよう。

 しかし、さらに大和がホエールに語りかける前に、バングレイがホエールをハントしに駆けつけてきた。
立ちはだかる大和に斬りつけるバングレイ。しかし、大和は戦いながらもホエールに呼びかけるのをやめようとはしない。

大和「ごめん、キューブホエール!『大王者の資格』を持ってるからって、いきなり同じように付き合えないよな!大丈夫!一緒に戦おうなんて言わない。俺たちは……あなたを守りたいだけだ!」
バングレイ「笑わせるな!まもってもらえると思ったらおおまちがいだぜ!」

 大和を蹴散らして、バングレイはホエールに攻撃を加えようとする。駆けつけた操とセラが参戦して今度は3人でバングレイと戦うが、今度はナリアの操るギフトカスタムが現れ、ホエールを捕獲しようと迫る。星を滅ぼすほどの威力を持っていた巨大ロボ、ギフトの改良版。ジュウオウジャー側も、操が戦力として新たに加わったとはいえ、正直勝算は薄い。でもやるしかない!
 バングレイを大和がひとりで引き受け、他の皆はワイルドトウサイキングでギフトカスタムに立ち向かう。必死に食い止めようとするも、大和も、ワイルドトウサイキングも旗色が悪い。
 バングレイがホエールをミサイル攻撃しようとするも、大和が間に立ちはだかり、身をもってミサイルを弾き飛ばす。大ダメージを受ける大和。それでも決して逃げようとはしない。

バングレイ「巨大鯨ちゃんが待ってるんだ!暇つぶしは用済みなんだよ!」
大和「渡さない……お前にも、デスガリアンにも!」
レオ・アム・セラ・タスク・操「「「「「絶対に負けない!」」」」」
大和「キューブホエールが守れなくて、この星が守れるか!!」

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 その叫びが、届いたのかどうか。
 心を閉ざしていたキューブホエールの目が開く。ホエールの目に映ったのは、バングレイの攻撃から必死にホエールをかばう大和の姿。

 ……あれは……ケタスさん!!

 キューブホエールの噴気孔の部分に収まっていた青い銛がばしゅっと飛び出して、使えといわんばかりに大和のすぐ脇に突き立った。
 大和は銛を持つとぶん回す。巨大すぎる銛!うわ重そう!が、そんな視聴者の心配をものともせず、バングレイを蹴散らすと、今度はギフトカスタムに向かって銛をぶん投げたあ!大和、超パワーファイター。
 銛がギフトカスタムをかすめて、キューブホエールの噴気孔部分に納まると、大和の手元にあった『大王者の資格』が光った。

大和「乗れといってるのか……わかった!」

大和が乗り込むと、キューブホエールは巨大ロボに変形。ドデカイオーになった。ドデカイオーはギフトカスタムをみるみる追い詰める。

『ドデカイオーシャンスプラッシュ!!』

海水ぶっしゃー!!な必殺技でもってドデカイオーはギフトカスタムを斃した。いや、オーシャンって……そこ湖……と思ったけど、まあ細かいことはどうでもよろしい。

大和「ありがとう、キューブホエール。俺たち少しだけ認めてもらえたのかな?」

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 『大王者の資格』を、やさしく撫でる大和。いままで目上に語りかける口調だったのが、いつのまにか小さな子供に語りかけるような口調に。大和の中でキューブホエールは、古の偉大な伝説巨獣から、お父さんを失って泣いていたこども鯨になってしまったよう。
 その感覚は間違っていなかったのか、戦いが済んで、他のキューブアニマルたちとおずおずと挨拶しているホエールの様子は、身体はおおきいけれど、人見知りの強いこどもみたい。みっちゃんにいきなりぎゅっとされて、びっくりして大和のかげにかくれちゃうし。
 ケタスさんはもういないけれど、その力を受け継いだ大和のことは好きになれそう。

バングレイ「ますます燃えるぜ」

 戦いで大怪我を負わされたが、バングレイはキューブホエールのことを諦めない。しつこいバングレイの手から、大和達はホエールを守りきることができるのか?

*デスガリアン

ジニス「まあ待ちなさい、アザルド。そろそろ楽しいことが起きそうだ」
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 ジニスは、ブラッドゲームをなぜ再開させないのかと苛つくアザルドを宥める。バングレイがやってきてから、ずっとブラッドゲームを開催しなかったジニス。彼が待っていたのは、ジュウオウホエールだった。しかし、そのことを内緒にされていたクバルとアザルドは、いきなりナリアが、海面に現れたジュウオウホエールを攻撃し始めたのを見てびっくり。

クバル「これは……一体……!?」
アザルド「オーナー!どういうことだ!?」
ジニス「ふふ、伝説の巨獣がいると聞いたら、興味が湧いてねえ。一体どれほどの力を持つのか……」
アザルド「オーナー、いつからバングレイの獲物を狙っていたんだ?まさか最初から?」
ジニス「巨獣ハンターが来たんだ。大物がいることは想像できるだろう?近頃ゲームが物足りなかったことだし」

 ゲームがつまらなかったとジニスにやんわり言われて、言葉につまるクバルとアザルド。

ジニス「手に入れれば面白いことができそうだと思ってねえ?」
アザルド「ふん、そういうことかよ。イライラして損したぜ」

 なるほどね、ゲームの演出準備のためか……と納得したアザルドの機嫌はすぐに直るが、クバルの顔色はすぐれない。ジニスは、バングレイの獲物を狙っていた事を、なぜ今の今まで隠していたのか? ナリアには内密に手伝わせていたのに? ジニスは何食わぬ顔で、クバルに楽しげに語りかける。

ジニス「バングレイも案外手こずっていたようだねえ?毒で獲物をあぶり出すとは、彼らしくないやり方だ……ふふ、だいぶん焦れていたのかな?」

 ジニスの、何かを見透かしたような問いかけ。クバルの背中に冷や汗が流れた。

ジニス「いいねえ、尊大で圧倒的なパワーだ。気に入った」

 実際にキューブホエールの威力を目の当たりにしたジニスは、上機嫌でナリアにギフトカスタムと銀色の小さなカード状のメモリーデバイスを託した。

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 クバルはナリアの発信機から割り出したキューブホエールの居場所を、バングレイに知らせに行く。

クバル「探しましたよ?」
バングレイ「あ?なんだお前か」
クバル「なんだとはなんです?せっかく私が撒いた毒を無駄にした人に言われたくありませんねえ」
バングレイ「へ、お前こそジニスが巨大鯨ちゃんを狙っていること、知らなかったんだろう?敵のことはよーく見とかねえと、復讐なんて夢のまた夢だぜ?」

 やはり、クバルはジニスへの復讐を果たす隙を窺うために、デスガリアンの傘下にくだっていた模様。
 しかし、やっかいでいけすかない男に秘密を握られたものだ。それでも目的のためには、今はこの男を味方につけておく必要がある。表情に出すことなく、クバルはたんたんとバングレイの求める情報を伝えた。

クバル「……獲物の居場所がわかりました」

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 ナリアは、ジニスに最強のギフトカスタムを託された我が身が誇らしい。ジニスの期待に応えるべく、キューブホエールを我が物にしようと奮戦する。途中までは上手くいっていた。しかし、キューブホエールがいきなり覚醒して、ドデカイオーになったことで形勢は逆転。あっという間に追い詰められた。爆発寸前の機体にしがみつくナリアにジニスがやさしく命令を下す。

ジニス「ナリア、メモリーデバイスを取り出して戻っておいで?」
ナリア「しかし、ギフトカスタムはジニス様の……」
ジニス「ナリア!」
ナリア「……はい」

 ジニスの口調が厳しいものに変わったのを察して、ナリアが機体を離れた直後、ギフトカスタムは爆発。 キューブホエールを手に入れられなかった挙句、せっかく作ったギフトカスタムを失ったというのに、ジニスはナリアを叱責したり、苛立ったりする様子を微塵もみせない。
 申し訳無さで縮こまるナリアを元気づけようとしたのか、今度はアザルドがキューブホエールを捕まえようと息巻く。が、ナリアからメモリーデバイスを受け取ったジニスは、上機嫌でアザルドの申し出を断った。

ジニス「アザルド、君の気持ちは嬉しいが、もう捕まえる必要はないよ?データは手に入ったからねえ……さあて、どうやって遊ぼうか?」

 ジニスがギフトカスタムを惜しげもなく棄てさせたのは、ナリアの身を案じてのことではなく、ホエールとの戦闘データが入ったメモリーデバイスを手に入れるため。そのことに気がついた部下達は、改めて自分達のボスのオブラートにくるまれた恐ろしさを垣間見たような気がした。

*セラとみっちゃん

 さて、ここんとこ皆との距離をいろいろ測りかねて、プレゼント攻撃をしてみたり、ツンデレぽくしてみたりと忙しいみっちゃんですが、今回はキューブホエールを呼べなくて困り果てている大和の姿を見て、スイッチが入っちゃったみたい。

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操「ここはオレに任せろ!」

 なんとみっちゃん、スキューバの免許も持ってたんかい! 大和の役に立つべく、みっちゃん潜る気まんまん。しかし、そんなみっちゃんの乙女な心の裡を誰もわかってくれない。

みっちゃん「俺が……俺が俺が俺が!キューブホエールを見つけてみせる!」
セラ「なんであいつが張り切ってんの?」
タスク「……わからない」

 そうこうする内に、バングレイ出現。ここでも役に立とうと張り切って、いきなり野生大解放するも勢い良すぎて空回り。バングレイと一緒に仲間を撃っちゃったり。あらら。
 大和達がキューブホエールに拒絶されて、セラが同じ海の生物繋がりなら受け容れてもらえるかも……とキューブシャークで行ってみようと申し出た時も、みっちゃんがしゃしゃり出る。

操「俺も行く!キューブクロコダイルで!」

 あ、うーん……ワニって川の生き物……。しかし、みっちゃんのあまりの必死さに断ることもできず、セラとみっちゃんは一緒に海に潜ることに。
 ところが、クバルがキューブホエールをあぶり出すために、バングレイの船を使って海中に毒を撒き、セラとみっちゃんも巻き込まれた。シャークとクロコダイルが猛烈に身体を震わせて苦しみだし、中にいるセラとみっちゃんも影響を受けて、みるみる気持ちが悪くなっていく。
 無差別に命を奪うやり口が許せないセラたちは、毒を撒き散らすバングレイの船を、なんとか海中から弾きとばしたものの、すでに意識は朦朧。

セラ「あたしたちもやばい……。操、ひとまず脱出するよ!」

 だがみっちゃんの返事はない。すでに気絶してるみたい。セラは最後の力を振り絞ると、コックピットを脱出。クロコダイルとシャークを掌サイズのキューブに戻すと、意識を失ったみっちゃんを担いで泳いで、なんとか海岸へ辿り着いた。

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セラ「もう……不安的中!」
操「すまない……!俺には助けてもらう資格は……ない!」
セラ「キューブホエール、無事でいて……!」

 みっちゃんは落ち込みながらも海岸につくなり、再び気絶。セラもホエールの安否を気にしながらも、意識を失った。顔色は真っ白。毒の影響はかなり深刻。
 探しにきたレオ達によって真理夫さんの家に連れて帰られるも、みっちゃんとセラは動くことが出来ない。真理夫はふたりの様子をみてびっくり。事情を訊く真理夫をごまかすのにレオとアムも大わらわ。

レオ「それが毒にやられちまって……」
真理夫「毒!?」
アム「あ、クラゲ……クラゲに刺されちゃって」
真理夫「クラゲ?わ、そりゃ大変だ…じゃ…あの病院!病院行かなきゃ!」

 そこへ小鍋を持ったタスクが、覆面姿で颯爽と登場。

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タスク「大丈夫です。毒消し作りました」
真理夫「お前どこで育ったの……?てか、くさっ、くさ、くさっ!」

 超臭い薬を、みっちゃんの「しんゆう」タスクが調合してくれた。嗅覚の鋭い彼にとって、この上もなく辛い作業だったろうに。はやく元気にならなければ! みっちゃんもセラも薬をなんとか飲む。するとすぐに元気に……!というわけにもいかず、あまりの匂いに思わず戻しそうに。

真理夫「今お水もってくるから!お水!」

 真理夫が慌てて台所に駆けていく中、大和から、逃げたキューブホエールが見つかったとの連絡が入った。セラとみっちゃんも現場に行こうとするが、レオ達に押しとどめられる。

タスク「完全に薬が効くまでもう少しかかる」
アム「行くだけ行って動けないとか、セラちゃんもいやでしょ?」

 アムはいつも優しい顔して、ぴしりと正論を投げつける。以前、セラの聴覚が尖すぎてヤバイカーに操られてしまった時よりも言い方は少し優しくなっているけれど、あの時と同じように足手まとい扱いされてしまったことには変わらない。セラは力なく座り込み、皆を見送った。

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 気がつけば、寝ていたみっちゃんも、いつの間にやら体育座り態勢になっている。ああ、これはまためんどくさいのが始まる……セラはちょっとため息をついた。

操「すまん……俺のせいだ。俺が足を引っ張ったせいで、お前まで巻き込んで……」
セラ「ほんとよ」

 こんなときに優しい言葉をかけられるほど、セラに心の余裕はない。止められることのないみっちゃんの「反省」は、愚痴にヒートアップしていく。

操「この前もそうだ……お前たちの大事な『大王者の資格』を見つけた時も、俺は役に立てなかった……」
セラ「え?」
操「俺だけジューランドに行ったこともないし、ジューランドのこともわからない!そんな俺に、お前たちの仲間である資格は……」

 そうか……、操はずっと仲間はずれにされているように感じていたんだ……!なんとなく扱いにくい操を遠巻きにしていたせいで、ジューランドのことを詳しく話す機会がなかった。これは途中参加のみっちゃんに気を配らなかったセラ達の落ち度。

セラ「ごめん!内緒にしてたわけじゃ……」
操「違う!そうじゃない!俺が!もっと役に立ちたいんだ……生まれて初めてできた友達のために……」

 みっちゃんはみっちゃんで、セラ達ともっと仲良くなりたい、もっと知りたいのに、「ともだち」とどうやって距離を縮めていったらいいのかわからない。せめて役に立つことで喜んでもらいたいのに、失敗の方が多い。そんな自分が情けなくってしかたがなくて、泣きたい。
 セラは初めて、操の気持ちが少しわかった気がした。

セラ「それでやたら張り切ってたんだ……。あんたのそういうとこ、嫌いじゃないけどね」
操「え?」
セラ「空回ってるし、めんどくさいけど、いろいろ考えて努力してるのわかるもん。友達作りたくて身体鍛えたり、手芸がんばったり、結構根性要るでしょ?」
操「セラ……」
セラ「ちょっと解るんだよね。私もずっと……もっと強くなりたい、認めてほしいって、じたばたしてるから」

 足手まといなんかになりたくない。女だからって手加減されたくない。自分の力でしっかり立って、家族を、皆を守れるくらい強くなりたい。頼られるようになりたい。でもまだまだレオよりも力で劣り、アムのようにしたたかに立ち回ることも出来ない。悔しい。

操「で……強くなれたのか?」

 セラは首を横に振った。でもセラは笑う。操は私と同じ。操ががんばっているように、私もがんばるしかない。じたばたあがくしか道はない。たとえ傍からみてイタいように見えても、そうすることが強くなるための唯一の方法だから。

セラ「まだまだ。だからみっともなくても、努力し続けるしかないんだよね。理想の自分に近づくためには……」
操「努力を続ける……そうか……俺ももっと強くなって皆の役に立つ!!」

 セラの言葉に感銘を受けたみっちゃん、いきなり立ち上がってシャドーボクシングを。いやいや今じゃないし。セラちゃん、ちょっとため息。

セラ「いきなり空回ってるし……ん?」

 タスクの薬が効いて、セラもみっちゃんも普通に動けるようになってる!

セラ「行くよ、操!」

 セラとみっちゃんが現場に駆けつけると、大和がひとりでバングレイにぼこぼこにされている真っ最中。
大和に飛びかかるバングレイの身体を、操の釣り竿で釣り上げた。

セラ「やられっぱなしは耐えられないのよ!」
操「俺は何度でも立ち上がる!俺が目指す……俺になるために!」
セラ「その調子!」

 セラとみっちゃんはふたりで釣り竿を必死に支える。昨日の自分より、今日の自分より、明日の自分が強くなるために。めげるもんか!負けるもんか!キューブホエールを、大和を守るんだ!

 セラとみっちゃんは変身すると、バングレイに向かって突っこんでいった。

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 戦い済んで日が暮れて、キューブホエールも真理夫の家にやってきた。ぴちぴちと他のキューブアニマル達と戯れているホエールがとても可愛くて、セラ達は目を細める。操が隅でおどおどしているのに、セラが気がついた。

操「今度こそ少しは皆の役に立てたのかな?」

 操も操なりに一生懸命。セラはいつもよりちょっとだけ優しい言葉をかけた。

セラ「キューブホエールは、あんたのことも見ててくれたと思うよ?」
操「そうか……!よろしくな!」

 いきなりキューブホエールをぎゅっとして、思いっきり嫌がられてしまった操。セラは顔をしかめる。操はちょっとほめるとすぐに舞い上がりすぎて、何かやらかす!もー、こいつには加減ってもんがないのか!

大和「だめだよみっちゃん、嫌がってる」
レオ「おい、また逃げられたらどうすんだよ!」

 ふたりにたしなめられて、またまた体育座りモードに突入してしまった操。ああ!やっぱりめんどくさいやつ!でも、セラは今日は彼を放っておかない。落ち込むみっちゃんの傍に座って、大和と一緒に、なついていない動物との接し方を丁寧に教え始めた。

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 さて、節目の30話を迎えて、ジュウオウジャーにキューブホエールという新しい仲間が加わりました。ホエール自体は喋れないので特に語ることもできないでしょうが、ジューランド創生のころから生きているたぶん唯一のジュウオウキューブ。ジューランドと人間界の関わりの謎、鳥男がジューランドと人間界の繋がりをわざと断った理由が、これからホエールを通じて明かされていくのかもしれません。
 そしてバングレイがやってきてから、動きを控えていたジニスがいよいよ再始動。やはりジニスの目的もキューブホエールでした。しかし、キューブホエール自体を手に入れてどうこうしたいわけではなく、ホエールの戦闘データが手に入れば、満足の様子。操のときのように、キューブホエールと同等の力を持つキューブアニマルを作り出して、地球を翻弄するつもりなのでしょうか。
 そして、シリーズ開始当初は一枚岩にみえたデスガリアンにも、反逆の火種が。以前匂わされたクバルのデスガリアン加入の目的。今回その意図が復讐であるとはっきりしたものの、ジニスはそれを知りつつみないふり。クバルが、バングレイとデスガリアンの間に挟まれてジタバタする様子を、完全に楽しんでいます。ジニス様、どS。

 しかし、ホエールを軸に大きな話が動き出しているものの、話の中で大きく取り扱われているのは、大和のホエールを守りたいという気持ちと、セラと操のちょっとした心の成長。守るために強くなりたい。お互いを思いやるがゆえの上昇志向。戦うための個人的な動機づけが、ぐぐっと前面に押し出されています。
 とくに、セラの強くなりたいけれど思うようにいかない悔しさは、4話のころからずっと引っ張ってきただけに、こういう節目の話で改めてピックアップしてくれたのは、セラちゃんファンとしては嬉しい限り。セラの少女のような頑なさが、彼女自身の姿勢をただし、前を向かせる。今はまだ届かないけれど、理想の自分を目指してあがいていく。セラの真っ直ぐさが眩しい。若いなぁ。
 竹本本編監督と佛田特撮監督がタッグを組んで、ホエールの雄大な姿を美しくファンタジックにみせながらも、しっかり個人の心の動きから目を離さなかった回。節目に相応しい秀作でした。




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